・脊椎-洞神経(椎間板性疼痛)
(イラスト8)
(イラスト8) 脊柱管内壁の知覚神経は脊椎-洞神経と呼ばれます。
脊椎-洞神経は脊髄神経から枝分かれし、交感神経からの枝と合わさった後に椎間孔から脊柱管内に分布します。
この神経は、加齢による椎間板の変性による刺激をキャッチして脊髄に伝達して、肩甲骨周囲の筋肉を反射的に収縮させる点で肩こりと関係が深いと考えられます。
またこの神経には交感神経という自律神経も含まれるため、肩こりと自律神経症状の発症に何らかの関係があるのではないかと考えられます。
脊髄後枝内側枝(椎間関節性疼痛)
(イラスト9)
(イラスト9) 後枝内側枝は神経根から脊髄神経を枝分かれした後にすぐに出る神経で、椎間関節に分布しています。
椎間関節に起因する関連痛を肩や背中に放散痛として伝える神経です。
頚部痛や背部痛が起こる直接的な原因としては、脊椎-洞神経と後枝内側枝が関係しています。
神経が圧迫される脊椎の部位により頚部から背部に症状の場所に違いが現れます。
脊髄神経
神経根症状を理解するためには神経根から枝分かれしていく末梢神経について知っておくことも重要です。 (イラスト7)
頚椎部分では脊髄から8対の神経が枝分かれしてからだに伸びていきます。
神経が枝分かれする部分を神経根と呼びますが、8対の神経根のうち、上の2対は後頭部に、3対目以下は肩・腕・背中などにそれぞれ伸びていきます。(イラスト6)
脊髄も脊椎と同じように、頚髄・胸髄・腰髄・仙髄と分けることができます。脊髄の断面には特徴的な層状構造がみられます。