内科から見た肩こり4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3)神経
肩こりと神経の関係を理解することは、痛みやしびれの起こる仕組みを知ることにもつながりたいへんに重要です。

脊髄
脊椎が24個重なり合って脊柱をつくります。

脊椎椎体の後ろには脊髄の通る空間が上下にできあがります。

この空間を脊柱管といい、脊髄はこの中を脊椎により守られるようにして通っています。

◆脊髄のおもな働きは3つあります。◆

1.筋肉を動かすための脳からの命令を伝える神経路
2.温・痛覚や触覚などの知覚の刺激を脳へ伝えるための神経路
3.脳からの命令や伝達とは関係なく起こる脊髄レベルで起こる反射に関与する神経路

(イラスト6)
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(イラスト6) 脊髄も脊椎と同じように、頚髄・胸髄・腰髄・仙髄と分けることができます。

脊髄の断面には特徴的な層状構造がみられます。

脊髄の働きの一つ、筋肉を動かすための命令は脳から脊髄に下向きに伝達されます。運

動神経繊維の束になった通り道は皮質脊髄路と呼ばれます。

知覚(痛覚、温度覚、触覚)は、末梢神経(手足やからだにある神経の末端)に加わった刺激が知覚神経を通り、脊髄から脳へと伝達されます。

知覚神経繊維の脊髄内の通路は、1.脊髄視床路、2.後索と呼ばれる2つが存在します。

脊髄レベルで起こるしびれや痛みはこれら2つの通路の障害で起こります。

脊髄の中では知覚神経繊維は足→腰→手→頚部と順に外側から内側に規則正しく配列しています。

したがって、脊髄そのものが脊椎の変形や靱帯の骨化により圧迫されると痛みやしびれといった知覚障害は、足から起こることになります。

神経根

(イラスト7)化学物質過敏症 runのブログ-mini7


(イラスト7) 脊髄からはムカデの足のように多数の神経繊維が出ています。

これらの神経繊維の働きは運動神経や知覚神経の刺激を伝達するための通路です。

脊髄を出たすぐは、前根と後根という2種類の神経繊維があります。

前根は脊髄からの運動神経(皮質脊髄路からの神経繊維)の通路で脳からの命令を伝達します。

後根は知覚神経の通路で、脊髄の中では脊髄視床路や後索を上向し、脳に刺激が伝えられます。

前根と後根は短いものですぐに合わさって神経根を形成します。

神経根は椎間孔(ついかんこう)という脊椎からの出口にちょうど位置しているため、もっとも圧迫を受けやすい所の一つです。

神経根症状は肩こりのしびれや痛みの原因として重要です。 


神経根症状
神経根の圧迫が軽い場合は炎症状態となり、腕や手先に痛みやしびれを感じます。

神経根性疼痛といって末梢神経に沿った痛み、いわゆる神経痛(放散痛)を起こしてきます。

頚椎部では後から話す上腕神経痛が、腰椎部では座骨神経痛や大腿神経痛が神経根症状です。

神経根症状の多くは、神経繊維そのものではなく、まわりを包む膜に機械的な炎症が生じる結果だといわれています。


頚椎レベルでの神経根症状は痛みのある側に首を傾けたり、後ろにそらせたりすると痛みが誘発されたり、痛みといっしょにしびれが出たり強くなったりする特徴があり、診断は容易です。

ふつうの首や背中の痛みとちがって、神経根圧迫による放散痛はえぐられるようにつらくなることがあります。

夜に上を向いて眠ることができなくなったり、歩くときも手をおろしたままでは痛みのために歩けないほどです。

圧迫が強く長く続いて神経繊維そのものがやられてしまうと、神経根性の運動麻痺(筋力の低下)が起こってきます。

こうなると事態は深刻です。

麻痺が強くなる前、できれば刺激状態である痛みの段階に適切な治療を受ける必要があります。

それだけ回復がよいからです。