・父母の農薬使用
1989年、南カリフォルニア大学医学部のバックレイらのグループは親が仕事で何らかの被曝を受けていた急性非リンパ芽球性白血病(白血病の一種)の子ども204人について疫学調査をしました。
農薬とこの白血病との関連が認められ、父親が1000日以上仕事に従事していた場合は発生率が対照の2.7倍に増加していました。
母親が被曝しても増加していました。家庭用農薬に子どもが被曝したり、母親が妊娠中に被曝した場合にも増加しました。
この研究では、農薬以外の危険因子として、父親の溶剤や石油製品・プラスチックス・鉛に被曝すること、母親がペンキや染料・金属粉塵・鋸くずに被曝することをあげているる
米国のイリノイ州とノースカロライナ州で、農薬使用免許を持つ人を対象に大規模な健康影響調査が行われている。
この調査データを使用して、ノースカロライナ大学のフラワーらの研究グループは、アイオワ州の父親の農薬被ばくと小児癌との関連を調べた。1975年から1998年に17,357人の子供の中で小児癌50症例が突き止められた。
対照と比較すると、癌全体の発症リスクが増加し(標準化発生比= 1.36)、リンパ腫全体(2.18)及びホジキンリンパ腫(2.56)のリスクも有意に増加した。
個別農薬ではアルドリン、ジクロルボス、エチルジプロピルチオカーバメート使用と小児癌との関連が見られた。 [8]