フェニトロチオンの毒性6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.2 急性経口毒性
急性経口LD50 は、ラットで235-3344 mg/kg、マウスで715-1416 mg/kg、テンジクネズミで500-1850 mg/kg である。

・WHO は経口毒性に基づいて、フェニトロチオンを毒性Ⅱのクラスに入れている。WHOの分類は、強い方からⅠ a、Ⅰ b、Ⅱ、Ⅲに分けている。
・米環境保護庁(EPA)は、フェニトロチオンの経口毒性をカテゴリーⅡに分類している。

EPAは毒性の強い方からⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと4段階に分類しており、フェニトロチオンは毒性が第2 番目に強いグループに分類されている。

Ⅱは中程度moderately の毒性があることを意味し、この分類には2000 年にEPA が使用を制限・禁止したクロルピリホスなどが含まれている。

この様な農薬は、危険なものであるとして、使用を止める方向にあり、サンフランシスコ統合学区では使用しないとしている。

・人間の女性で報告されている急性経口毒性は、TD10 が800 mg/kg である。

・想定される経口致死量(人間):50-500 mg/kg。
・ネコの急性経口毒性は、142 mg/kg である。
・人間に近いサルに対する毒性はラットなどよりも強いことが知られている(マツクイムシ防除に関するメモを参照次の表からも分かるように、フェニトロチオンの毒性は純粋なものより、工業製品(通常使っているフェニトロチオン)で毒性が強い。

これは不純物や保存中にオクソン体が形成された
ことによる可能性がある。

経口LD 50の例(runより:LD 50とはこれだけ投与されたら半分が死ぬという数値です)
オーストラリアNRA Review Report による
動物(系統) LD50(mg/kg) 備考
ラット(ウイスター) 雄950雌600
ラット(ウイスター) 雄608
ラット(ウイスター) 雄700 ★ 同じ研究グループの結果で、★を付け
ラット(ウイスター) 雄490 ☆ たものは純粋なフェニトロチオン☆は
工業品質
ラット(ウイスター) 雄1970雌3344
ラット(シャーマン) 雄740雌570
ラット(SD) 雄250雌250
性経皮LD50 は、ラットで890 mg/kg 以上、マウスで3,000 mg/kg 以上である。
米環境保護庁はフェニトロチオンの経皮毒性をカテゴリーⅡに分類している。


4.4 急性吸入毒性
急性吸入LC50 はラットで5.0 mg /âと報告されている。ラットの他の致死量は次の通りである。4 時間吸入LC50、378 mg。気管内投与LD50、950 mg/kg。静脈投与LD50、33 mg/kg。腹腔内投与LD50 、300 mg/kg。ラットの経皮LD10 は300 mg/kg である。
米環境保護庁はフェニトロチオンの吸入毒性をカテゴリーⅡに分類している。

マウスの急性毒性値は次の通りである。経口LD50、229 mg/kg。皮下投与LD50、1000mg/kg。腹腔内投与LD50、280 mg/kg。脳内投与LD50、1000 mg。

テンジクネズミは、次の急性毒性値を持つことが報告されている。経口LD50、500 mg/kg。
静脈投与LD50、112 mg/kg 。
米環境保護庁EPA は農薬の急性毒性を、強い方からⅠからⅣの4 段階に分類している。フェニトロチオンは、経口被ばくや経皮被ばく・吸入被ばく・眼への影響・皮膚刺激に関して、毒性Ⅱ(2 番目に毒性の強いグループ)に分類している。