香料の健康影響11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・偏頭痛
香水や臭いが偏頭痛を誘発するという報告がある。

Kelman (2004) 偏頭痛患者727 人で臭いや味覚との関係を調べた。

この中で香水や臭いが急性偏頭痛を誘発すると報告したのは患者の約半数であった。

この現象は男性より女性で多く認められた。

米国で偏頭痛の誘発因子を調べたKelman(2007)のその後の研究によると、偏頭痛はストレス(79.7%)や女性のホルモン変化(65.1%)、食事を摂らないこと(57.3%)、天候(53.2%)、うまく眠れないこと(49.8%)に次いで、香水や臭い(43.7%)に誘発されるという。

これらは首の痛みや光、アルコール、喫煙、夜更かしなどよりも多く偏頭痛を誘発する。


変異原性
多くの香料がサルモネラ菌で変異原性を示すと報告されている(Sivaswamy et al. 1991)。特に合成ムスクには変異原性を持つものがある。
Nair et al. (1986)はムスクアンブレットが代謝活性化をした場合サルモネラ菌TA100 で変異原性を示すことを報告した(Nair et al. 1986)

*香料自体が変異原性を持つ場合があるが、他の物質の変異原性を高めることもある一般に合成化学物質は危険で天然に由来する化学物質は安全であるという誤解がある。

しかし天然物にも変異原性がある。

サルモネラ菌で9 種のモノテルペノイドの変異原性を調べた研究がある。ローズマリーや月桂樹、マジョラムの香気成分の一つであるテルペネオールは変異原性を示したと報告されている(Gomes-Carmero et al. 1998)。
ムスク化合物は生体外異物を排出するトランスポーターを阻害する性質がある。

そのため、細胞内のメカニズムに影響を与え、毒性を発揮する可能性がある。
ベンツピレンの発癌性に及ぼすムスクケトンの影響を人間由来の肝細胞培養細胞を用い小核試験で調べた研究がある。

ムスクケトン単独では影響を及ぼさないが、ムスクケトンで28 時間全処理し、その後ベンツピレンを作用させた場合、ベンツピレンの影響を強化することが分かった。

これはベンツピレンを活性化するのに重要な酵素P450 を誘導するためと思われる(Mersch-Sundermann et al. 2001)。