香料の健康影響10 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・内分泌かく乱作用
ムスクの一部は内分泌かく乱物質であることが知られている。
多環式ムスク(トナライド、ガラクソライド、アセチルエチルテトラメチルテトラリン、ファントライド)はエストロゲン受容体βやアンドロゲン受容体、プロ
ゲステロン受容体のアンタゴニストである。

ファントライドとトナライドの抗プロゲステロン作用は0.01 μ M の低濃度で見られるという(Schreurs et al.2005)。

*香料に内分泌かく乱作用がある。一部のムスクは産婦人科に関する障害を起こす可能性が指摘されている


多環式ムスクであるガラクソライドやトナライド、ADBA、AMHI、DAMI、トラセオライドと人間のエストロゲン受容体α、人間のアンドロゲン受容体、人間の甲状腺ホルモン受容体との相互作用を調べた。

全ての多環式ムスクが人間エストロゲン受容体αに作用することが分かった。

ガラクソライドやトナライド、トラセオライド、セレストライド、ファントライドは人間のアンドロゲン受容体に量依存性の拮抗作用を示した。

人間のアンドロゲン受容体や人間の甲状腺ホルモン受容体βに作用しない(Mori et al. 2007)。
ニトロムスクが生殖毒や内分泌かく乱物質として人間で作用している可能性が指摘されている。
ドイツのハイデルベルクの大学病院の産婦人科に産婦人科疾患のために相談に訪れた152 人で合成ムスクの血液検査をした。

特にムスクキシレンとムスクケトンが多く検出された。

血中ムスクキシレン濃度とホルモンに関する血液および臨床パラメーターに有意な関係が認められた。

ムスクキシレンやムスクケトンは視床下部-卵巣軸の攪乱物質として働いている可能性がある。

このことはニトロムスクが生殖毒や内分泌かく乱物質として女性に作用していることを除外できない(Eisenhardt et al. 2001)。


神経毒性
合成ニトロムスク化合物であるムスクアンブレットは、ラットで経口投与や経皮投与で後肢の脱力を起こす。

病理学的には中枢神経と末梢神経の脱随と軸索との変性が生じた(Spencer et al. 1984)。
*香料の神経毒性もしばらく前から知られるようになった

Anderson and Anderson (1998)は5 種類のオーデコロン製品が急性毒作用を及ぼすか否かをマウスで調べた。

オーデコロンは感覚刺激や肺刺激、呼気速度減少、神経毒性を示した。神経毒性は香料製品に繰り返して曝した時にいっそう強かった。

これらのコロンを調べたところ、刺激性や神経毒性が既に証明されている物質が存在していた。
老齢男性死亡の相当多くに、骨盤内臓やその自律神経による調節が関与する。環境からの刺激が骨盤内臓の構造と機能を障害する。

シトラールはレモングラスや柑橘類、ペパーミントなどに含まれている物質で、香料としても利用される。

シトラールは前立腺肥大を起こすことがラットで知られている。
Golomb et al. (2001)はシトラール局所投与の骨盤神経節への影響を雄の若い成熟ラットと老齢ラットとで調べた。

投与しない老齢雄ラットで空胞がある骨盤神経節細胞が見られたが、若い成熟雄ラットでは見られない。

シトラールは老齢ラットで空胞がある神経細胞の割合を(3%から14%に)有意に増加させたが、若いラットではわずかであった(0%から0.5-9.3%)。

下頸神経節や腹腔神経節では似たような病変は見られなかった。

これらのことはシトラールはが骨盤神経節で加齢による神経空胞変性の進行を加速し、高齢者で骨盤内臓の機能不全の一因となるかもしれない。
アセチルエチルテトラメチルテトラリン(アセチルエチルテトラメチルテトラリン)は香水や化粧品、石けんにムスクとしてよく添加される(Look Chem 2010)。
Spencer et al. (1979)はアセチルエチルテトラリンの神経毒性を調べた。繰り返し被ばくは過刺激性と四肢脱力をラットで生じる。脳や脊髄、末梢神経は変色したブルーとなり、進行性セロイド神経変性を示し、顕著な髄鞘変性を示す。

この神経毒性はアセチルエチルテトラメチルテトラリンを消費製品からアセチルエチルテトラメチルテトラリンを引き上げる生産者決定の根拠となりうると、Spencer et al. (1979)は考えた。

この毒性は被ばくが長引くと強く表れる。

*室内の良い香りが作業能率を高めたり、気持ちを豊かにさせると信じられている(例えば読売新聞2010 年4 月13 日)。

これらの影響は好ましいとされ、ショッピングセンターなどで空気に香りをつけることにより客の購買意欲をかき立てようとしている。
しかし、作業能率を高めようとしてエアフレシュナーを用いることが有効かどうか調べた研究がある。

被験者に単語を思い出させるなどの検査を行ったが、香料の効果は認められず、逆に試験の一部では能率が低下したことも報告されている(Gaygen and Hedge 2009)。