平成16年度環境省化学物質過敏症研究報告書10 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3-6 肥満細胞欠損マウスを用いた研究結果
1 肺胞洗浄液中での炎症性細胞の変動については、+/+マウス(肥満細胞が正常に存在している)では対照群と比べホルムアルデヒド曝露群で肺胞マクロファージの数に顕著な増加がみられた。

W/Wv マウス(肥満細胞が欠損している)では、肺胞マクロファージの数には影響がみられないものの、好酸球とリンパ球においてホルムアルデヒド曝露による有意な増加が認められた。
2 脾臓細胞におけるTh2 タイプのサイトカインであるIL-4,IL-5, IL-10 の産生では、ホルムアルデヒド曝露群と対照群とで有意な差はみられなかった。

Th1 タイプのサイトカインであるIFN-γ産生量の比較でもホルムアルデヒド曝露の影響はみられなかった。
3 抗原特異的抗体価の変動について、血漿中での抗OVA IgE 抗体価、抗OVA IgG1 抗体価については、両系統でまったく曝露の影響は認められていない。

抗 OVA IgG2a 抗体価においては、+/+ マウスでは曝露の影響は見られず、 W/Wv マウスにおいてはホルムアルデヒド曝露群の方がやや増加傾向を示したが、有意差はみられなかった。
4 血漿中でのサイトカインの変動では、好酸球の活性化因子であり、アレルギー反応の増悪に関連するIL-5 については、+/+ マウスではホルムアルデヒド曝露による低下傾向がみられ、 W/Wv マウスにおいては逆にホルムアルデヒド曝露群の方がやや増加傾向を示したが、ともに有意な差はみられなかった。KC ケモカインと単球、活性化したT 細胞、未熟樹状細胞などのケモカインであるTh2 タイプの反応に関連するMCP-1 を測定した結果、KC 産生では+/+
マウスでの変動はなく、W/Wv マウスではホルムアルデヒド曝露による増加傾向がみられた。
MCP-1 産生では、ホルムアルデヒド曝露による有意な差はみられなかったが、W/Wv マウスではホルムアルデヒド曝露による増加の傾向が認められた。