多くの生果物・生野菜で症状が誘発された口腔アレルギー症候群(OAS) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
食物アレルギー2
座長:小倉英郎1), 足立雄一2)(1)国立病院機構高知病院小児科, 2)富山医科薬科大学小児科)

MS9-8.多くの生果物・生野菜と共に,加熱人参・馬鈴薯・セロリで症状が誘発された口腔アレルギー症候群(OAS)

佐々木祥人1) 足立厚子1) 森山達哉2)
兵庫県立加古川病院 皮膚科1) 近畿大学農学部 応用生命科学科2)


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【背景・目的】OASは生果物・野菜により誘発され,原因蛋白は易熱性とされている.今回我々は加熱野菜でも症状が誘発された症例を経験し,原因蛋白につき検討した.

【患者】10歳男児.生リンゴによるOAS・ショックとともに,加熱した馬鈴薯・人参でもショックの既往がある.

【方法・結果】血清特異IgEはハンノキ・リンゴ クラス6,人参 クラス4,馬鈴薯・セロリ クラス3.プリックテストでは生野菜・果物のみならず,人参・馬鈴薯・セロリでは加熱を加えたものでも陽性.

結果に基づき食事指導のところOASの再燃はない.

抗原蛋白の検討では,大豆Gly m4(Bet v1ホモログ)特異IgEクラス5.シラカンバBet v1の免疫ブロット陽性.

食品の免疫ブロットでは,リンゴ・大豆で17kDa(Bet v1ホモログ)と14kDa(プロフィリンと推定)を検出.

加熱でもプリックテスト陽性の人参・馬鈴薯・セロリでは9kDa(lipid transfer protein:LTPと推定)を検出.

【考察】プリックテストは,OASの原因食品決定と共に調理方法も含めた食事指導に有用である.

自験例のOASの主たる原因蛋白はハンノキ花粉関連Bet v1ホモログと考えられるが,加熱した食品でも症状が誘発された耐熱抗原蛋白の候補はLTPと推測された.

第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催