・一般演題
食物アレルギー5
座長:田知本寛((独)国立病院機構相模原病院小児科)
19.大豆のクラス2アレルギー:豆腐は摂取可能な豆乳による口腔アレルギー症候群(OAS)の3例
足立厚子1) 清水秀樹1) 堀川達弥2) 森山達哉3)
兵庫県立加古川病院 皮膚科1) 神戸大学大学院 皮膚科2) 京都大学大学院 農学研究科3)
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【背景】大豆は乳児の五大食物アレルゲンの一つであるが,花粉症の患者の一部に,豆乳によるOASを伴う患者が存在することはあまり知られていない.【患者・方法および結果】花粉症および多くの果物・生野菜にOASが出現する3例.症例1:44歳女性,IgE(RAST)スギ・ハンノキ・カモガヤ・ラテックス(クラス3以上)大豆(クラス0).
枝豆・豆乳・豆腐のプリックテスト陽性.
枝豆・豆乳にてOAS出現するも豆腐は摂取可能.
症例2:52歳女性.
IgE(RAST)カモガヤ(クラス4).大豆(クラス0).
症例3:28歳女性.
IgE(RAST)スギ・ハンノキ・ブタクサ・カモガヤ・ラテックス(クラス3以上)大豆(クラス2).症例2・3ともに豆乳ではプリックテストおよびOAS誘発陽性を示すも,豆腐のプリックテストおよびOAS誘発は陰性.
免疫ブロット法にて大豆中のIgE反応抗原を検討したところ,3例ともに23kDaの未同定抗原を検出.
【考察】花粉症に伴うOASの患者では豆乳にも注意が必要で,診断にはプリックテストが有用である.
豆腐は固形のため皮膚や粘膜からの抗原の吸収が悪く,皮膚テストがでにくく,また皮膚テスト陽性の症例でも固形のまま咽喉を通り過ぎるためOASが起きにくいのではないかと考えた.
第17回日本アレルギー学会春季臨床大会 2005年6月開催