・一般演題
食物アレルギー(4)
座長:野間 剛(北里大学小児科)
97.小児の口腔アレルギー症候群(OAS)と花粉に対する感作状況について
杉井京子 海老澤元宏 宿谷明紀 池松かおり 杉原 桂 田知本寛 鈴木 誠
国立相模原病院小児科
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口腔アレルギー症候群(以下OASと略す)は花粉と果物等の誘発食物中の交叉抗原性が発症に寄与していると考えられており,成人の場合,花粉症が先行しそのうち2~7割がOASを発症すると報告されているが,小児でのOASに関する報告は少ない.
今回,当科において経験したOAS15例に関して検討した.
15例の内訳は,男:9名,女:6名,平均年齢5.8歳(2歳~11歳)で,基礎疾患は気管支喘息9名,アトピー性皮膚炎9名,アレルギー性鼻炎8名,アレルギー性結膜炎6名であった.
誘発食物はキウィ7例,トマト6例,メロン,オレンジ各4例,スイカ,モモ各2例,タケノコ,ビワ,バナナ各1例であった.
小児におけるOASと花粉に対する感作状況を明らかにするために最近1年間に当科を受診しアレルギー検査を受けた児において検討を加えた.
各種花粉の特異的IgE陽性者(CAP-RASTスコア2以上)はハンノキが660人中116人(17.6%),スギが1545人中782人(50.6%),ヒノキが239人中87人(36.4%),ブタクサが1209人中197人(16.3%),カモガヤが1208人中210人(17.4%)であった.
小児においても各種花粉に対する感作の増加とOASの増加が関連している可能性が示唆された.
第15回日本アレルギー学会春季臨床大会 2003年5月開催