・一般演題
即時型アレルギー1
座長:鈴木栄一(新潟大学医歯学総合病院総合診療部)
20.ラテックスを抗原とするアナフィラキシー:自験例での検討
小宮明子1) 川上綾子1) 鈴川真穂1) 岡崎優子1) 関谷 剛1) 飯倉元保1) 山田浩和1) 山口正雄1) 三崎義堅1) 赤澤 晃2) 平井浩一3) 山本一彦1)
東京大学アレルギーリウマチ内科1) 国立成育医療センター2) 東京大学生体防御機能学3)
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即時型ラテックスアレルギー3症例の精査を行い,ラテックスフリー製品で興味ある検査結果を得たので報告する.
[症例]症例1:37歳男性.高安病で過去2回開腹手術歴.2001年10月人工血管再置換術開始直後アナフィラキシーショック発症,手術中止.
症例2:57歳女性.歯科医.40歳頃ラテックス手袋で手指の蕁麻疹.
以後,婦人科検診や栗摂取直後にアナフィラキシー症状出現.
2003年1月消化器系手術前に精査希望.
症例3:38歳女性.30歳頃ゴム手袋や風船で手指の蕁麻疹.
2003年5月帝王切開術中,アナフィラキシーショック発症.
[総括]3症例ともラテックスIgE RASTはclass3~4と陽性.
ラテックス抽出液で即時型皮膚反応及び好塩基球ヒスタミン遊離を認めた.
症例1,2はラテックスフリー手袋等の使用で手術を無事施行し得た.
更に検査の過程で,ラテックスフリー手袋抽出液(低希釈倍率)でも即時型皮膚反応陽性(症例1),好塩基球ヒスタミン遊離陽性(全症例)の結果を得た.
この結果は,臨床症状と結びつかない点で臨床的意義はうすいものの,何らかの交差反応物質の存在を疑い,機序を解析中である.
第16回日本アレルギー学会春季臨床大会 2004年5月開催
runより:これはヤバイ・・・本当に生死に関わる怖いアレルギーです。