ラテックスフルーツ症候群の乳児例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
食物アレルギー(1)
座長:栗原 和幸(神奈川県立こども医療センターアレルギー科)

90.ラテックスフルーツ症候群の乳児例

徳田玲子1) 平田典子1) 松山温子1) 各務美智子1) 中島陽一2) 河村牧子2) 近藤康人2) 柘植郁哉2) 松永佳世子3) 宇理須厚雄1)
藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院小児科1) 藤田保健衛生大学小児科2) 藤田保健衛生大学皮膚科3)


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症例は1歳6ヵ月男児,完全母乳栄養.生後5ヵ月ゴム風船をなめて遊んでいる最中に顔面に蕁麻疹出現.

生後6ヵ月生まれて初めてバナナをなめさせただけで顔面に蕁麻疹が出現したことがあった.

生後10ヵ月生まれて柿1cm角5,6個摂食直後から,咳嗽,嘔吐,顔面浮腫・腫脹および全身蕁麻疹が生じた.

また生後12ヵ月バナナでも小指先大1個摂食後,咳嗽,全身蕁麻疹と下痢が生じた.

1歳6ヵ月時,血清総IgE値170IU/ml,特異的IgE抗体はラテックス0.83UA/ml,バナナ17.1UA/ml,柿7.77UA/mlであり,skin prick testもラテックス,バナナと柿で陽性~強陽性であった.

バナナと柿で抗原を作製し行ったELISA-inhibition testでは,ラテックス抗原,バナナ抗原と柿抗原で互いに濃度依存性に抑制が認められた.

特にフルーツ抗原によるラテックス抗原への抑制が強くかかっていた.

生後4日間ゴム製乳首を数回使用した以外ゴム製品使用の機会が無かったこと,母親が出産前,授乳期間中ほぼ毎日バナナを摂食していたことから,経母乳のバナナ抗原で感作が成立した乳児例と考えられる.

第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催