通話しなければいいのか?電車内携帯の電磁波問題2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・反射と重複の効果:鏡の部屋の照明と同様

電車内の被曝について、次元解析的なセンスでアプローチしてみよう。

外から眺めればよく分かるように、電車は窓などを除けば、基本的に金属で作られている。

電子レンジの内部表面と同様に、金属は携帯電話で使用されるマイクロ波帯の電磁波をほぼ完全に反射する。

だから、電車内では先の報告書が仮定した自由境界条件の場合よりも、この反射の効果によって電磁波が強く、かつ車内全体にわたって蓄積される性質を持つ。

 具体的には電車内などの「系」に蓄積する電磁場の強度を電磁場エネルギーのバランス方程式で計算する。

境界が反射性なので、単位時間あたりの電磁波出力の総量が一定の割合で反射されて繰り込まれる。

すなわち境界の平均反射率が高いほど平均散逸率が低くなるから、エネルギーが「系」の中に蓄積される。

電磁波はどこかで散逸されない限り、繰り返し反射され「系」の中を駆け巡る。

電車内で携帯電話を使用した場合の電磁波の反射を計算してみると、次のような結果になる。

すなわち、反射がない状況下で1台の携帯電話から最大出力で発射された電磁波が30cm離れた場所で持つ平均電磁波強度が、電車内にあっては10台程度のオーダーの携帯電話が最大出力を発射することによって、車内全体に平均としてもたらされうる計算になる。

この計算はあくまで、利用者自身による吸収の影響などのファクターを無視した仮定の上での推算(エスティメーション)である。

したがって、この計算値自身には、推算に由来する相当程度の誤差が含まれるのは当然である。

しかし、不可解であるのは、物理学的にあまりにも自明である『反射と重複』の問題が、かかる分野に於いておよそ無視されてきた点にある。

ファクターの程度問題がどうであれ、現実に携帯電話が使われる状況には、反射と重複の効果によって『理想的な』実験室で想定しているより遥かに高いレベルの被曝がもたらされるメカニズムがある。

境界値問題と呼ばれる電磁気学において、「系」の境界での条件(いまの場合、反射)を無視することは許されない。

マイクロ波にとって、金属の車体は可視光線の鏡に相当するし、携帯電話の数は照明器具の数と同等だ。

日常的な感覚でも自明のメカニズムに従って、反射的な空間で被曝レベルが高くなる。

電車内に限られた話ではない。