通話しなければいいのか?電車内携帯の電磁波問題3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・「ペースメーカーは22センチ以上離せば安全」という指針の前提は成り立たない

「携帯電話端末を植え込み型心臓ペースメーカー装着部位から22cm程度以上離すこと」という公的『指針』がある。

この背景には、携帯電話の医用電子機器や生体への影響は常にその距離に依存して定まり、その影響は距離の二乗に反比例する、という前提がある。

これは、携帯電話端末の安全性の議論において常に暗黙に仮定されてきたものだ。

距離の二乗でその強度が減少するのは、電磁波のエネルギーが反射のない自由境界条件で「拡散」していくときに起こる結果だった。

電磁工学の専門家や担当省庁の担当者は「電波は距離の二乗に比例して弱くなるから、反射壁が遠ければ反射の効果は無視できる」と繰り返し答えている。

エネルギーの拡散と散逸という二つの初等的な概念が混同されている。

壁が遠くなれば、同じ立体角内で反射に寄与する壁の面積は距離の二乗で『比例』する。

したがって、反射の効果は、単位面積あたりの電磁波の強さであるポインテイングベクトル(距離の二乗に反比例)×反射面積(距離の二乗に比例)で何ら変わらない(ガウスの法則)。

散逸が起こらない限り電磁波のエネルギーは保存されるから、境界条件によっては、無限の距離まで強い電磁波を伝えることもできる。

小さなコンサートホールでも、大きなコンサートホールでも、壁や床、天井での反射特性がホール音響にとって本質であることは、何ら変わらない。

ホールではステージ近くの席よりも、一番離れた席の方に大きな音が届くこともしばしば起こる。

反射的な境界条件の系では、波の強度は「距離」のみでは正しく議論ができないのだ。

電磁気学、むしろ波動一般での基本が忘れられている。

 このように、電子レンジの庫内と同様なメカニズムが働く電車内などでは、「携帯電話から何センチ離れれば安全」という単純な議論(ドグマ)は成り立たない。