・Q18.体内負荷量とは何ですか?また体内負荷量が耐容摂取量の計算に必要なのはなぜですか?
A18.一般的に化学物質による毒性発現は、投与量に依存していますが、ダイオキシン類のように体内蓄積性の高い物質の毒性を評価するためには、どの程度の量を継続的に摂取し続ければ、毒性を発現する体内量(体内負荷量)に到達するかが重要となります。
またダイオキシン類は、体内からの消失半減期の動物間の種差が大きいため、毒性試験で得られた結果をヒトにあてはめる場合には、投与量ではなく、体内負荷量に着目し、動物で健康影響が生じる体内負荷量を試験で求め、ヒトの場合にどの程度の量を継続的に摂取すればその体内負荷量に達するかを評価することが適切と考えられます。
Q19.1週間あるいは1ヶ月単位の耐容摂取量と耐容一日摂取量(TDI)の違いは何ですか?
A19.ダイオキシン類の体内消失半減期は長いので、一時的に摂取量がTDIを越えることがあったとしても体内負荷量が大きく変動することはなく、長期間での平均摂取量がTDI以内ならば健康を損なうことはありません。
その意味で、耐容摂取量は1週間あるいは1ヶ月という単位で表現するほうが適切であるという考え方があります。
しかし、個人レベルでは、1週間あるいは1ヶ月単位で食事量を管理することはまれであり、むしろ1食あるいは1食品中に含まれるダイオキシン類の量に関心が高いことを考えると、リスクコミュニケーションの観点からは適当な表現ではないかもしれません。
従って、耐容摂取量の表現は、一日あたりの耐容摂取量として設定するほうが妥当と思われます。
また、1週間あるいは1ヶ月あたりの耐容摂取量を単純に7日あるいは30日で割ると1日あたりの耐容摂取量になるということではありません。
1日あたり、1週間あたり、1ヶ月あたりの耐容摂取量は、それぞれ独立した指標として扱うことが適当です。
Q20.現時点で国際的にみて最も基本となる TDI に関する勧告はどれですか?また今回のワーキンググループの結論とはどのような関係になりますか?
A20.1998年(平成10年)のWHO欧州地域事務局及び国際化学物質安全性計画(IPCS)専門家会合の勧告です。
この会合は、各種毒性知見の結果から、TDI の値を1~4pg/kg/日の範囲として示し、先進国の一日摂取量の水準からみて、当面は4 pg/kg を最大耐容摂取量と考え、究極的な目標として、ヒトの摂取レベルを1 pg/kg 未満に低減していくことが適当だとしています。
ワーキンググループの結論はこの勧告値の範囲の最大耐容摂取量に相当します。
runより:何か釈然としない気がするんですが・・・
省庁の発表って無理やり納得させようとしてる気がします。