・各個人の食生活について:
Q11.私たちが食事から摂るダイオキシン量はどのくらいですか?
また、TDIとの関係はどうなっていますか?
Q11.厚生労働省の行ったマーケットバスケット方式によるトータルダイエット調査(約120 品目について、国民栄養調査による食品群別摂取量表を基にして、7地区10~16 機関で食品試料を購入し、各食品を実際の食事形態に従って処理し、ダイオキシン類の存在を分析するというもの。)の結果によれば、我が国のダイオキシン類の平均的な1日摂取量は、平成10年度が2.01 pg/kg、平成11年度が2.25 pg/kg、平成12年度が1.45 pg/kg、過去3年間の平均が1.90 pg/kg となっており、現在のTDI:4 pg/kg を下回っています。
また平成12年度に自治体の実施した同様の調査によれば、東京都で2.18 pg/kg、埼玉県で1.0pg/kg、神奈川県で1.60 pg/kg、札幌市で1.04 pg/kg と報告されており、いずれも現在のTDI を下回っています。
Q12.食事からの摂取量がTDIを越える人はいますか?
A12.マーケットバスケット方式によるトータルダイエット調査によれば、1日摂取量の分布は、平成10年度が1.23~2.77 pg/kg、平成11年度が1.19~7.01 pg/kg、平成12年度が0.84~2.01 pg/kg となっており、食事からの摂取量は概ね現在のTDI の範囲内にあると言うことができます。
仮に、ある1日の食事からの摂取量がTDIを越えることがあったとしても、長期間での平均摂取量がTDI以内ならば健康を損なうことはありません。
Q13.ダイオキシン類を含む可能性のある食品は避けるべきですか?
A13.現状の汚染レベルでは、バランスのとれた食事が健康にもたらすベネフィットのほうが、ダイオキシン類の摂取に関係する健康リスクよりも、はるかに上回っています。
ダイオキシン類の摂取に関係する健康リスクは、現在の食生活を変える必要がある程のものではありませんし、また食生活を短期間変えたとしても長期的な健康に影響するものではありません。
これは妊婦や子どもの場合にも言えることです。
Q14.TDIを越えることは何を意味するのですか?
A14.TDIとは、ある汚染物質について、健康危害を被ることなく毎日一生涯にわたって摂取できる量のことです。
ダイオキシン類は体内、特に脂肪組織に蓄積しやすく、取り込んだ量が半減するのに約7年かかります。
現在のTDIは、予防的観点からこのような特徴も考慮に入れて、安全性を見込んで設定されたものです。
従って、ある一時期ダイオキシン類の摂取量がTDIを越えたとしても、健康へのリスクにはなりません。
むしろ、バランスのとれた食事が健康にもたらすベネフィットのほうが、ダイオキシン類の摂取に関係する健康リスクよりも、はるかに上回っています。
これは妊婦や子どもの場合にも言えることです。