・厚生労働省HPより
http://www.mhlw.go.jp/
・ナノマテリアルの安全対策に関する検討会報告書概要
平成21年3月31日
厚生労働省医薬食品局
1.検討の範囲
ナノマテリアル及びそれを含有する製品の安全対策を検討。検討対象とするナノマテリアルの範囲は、100nm程度以下を目安としたナノオーダーサイズの粒子(分子)及びその凝集体。
2.開発の現状及び最新の科学的知見
(1)ナノマテリアルの生産量・用途
平成19年度厚生労働省委託調査によると、カーボンブラック、シリカ及び酸
化チタンの使用量が多く、主な用途は、家電・電気電子製品、化粧品及び塗料
・インクであった。
(2)ナノマテリアルの生体への影響
ナノマテリアルは、一般の化学物質とは異なる性質を有することが示唆され
ているが、現段階では、ナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼすという報告
はない。
また、人の健康への影響を予測するために必要十分なデータが得られた状況には至っていない。
3.規制の現状
現段階では、ナノマテリアルに特化した規制や化学物質のサイズに着目した規
制は存在しない。
世界的に見ても現時点でナノマテリアルに特化した規制はない。
4.安全対策に係る課題と今後の方向
(1)安全対策の方向
①安全性情報等の収集に努め、収集された情報を消費者へ積極的に提供しつつ、国民の健康を確保する観点から必要な対策を引き続き検討。
②製造者責任の観点から事業者が開発の段階から主体的に安全対策を進めるべきであるが、国も事業者と協力して安全対策に積極的に取り組む。
(2)今後の具体的な対応
①安全性・使用実態等に関する情報収集
②安全性に関する試験・研究の推進
③関係府省庁等との連携
④国際機関等との協力
⑤消費者とのリスクコミュニケーションの充実
(3)今後の課題
現時点では、ナノマテリアルに特化した規制を導入するための根拠となる科学的な事実は認められないため、既存制度の下で対応することが当面は適当。
ナノマテリアル関連情報の収集のあり方について検討し、その上で、今後、
新たに収集される情報に基づき、既存の制度で十分に対応できるかどうか、さ
らに、予防的原則も踏まえ、必要に応じて、ナノマテリアルに適用できるよう
な新たな仕組みのあり方について検討することが適切。