図書紹介「電磁波汚染と健康」 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/

・独立行政法人国立病院機構盛岡病院 化学物質過敏症外来便り
2004年 7 8 月号(Vol.2 No.7)
図書紹介「電磁波汚染と健康」
ザミール・P・シャリタ著、加藤やすこ訳
緑風出版 定価2700円+税
最近、微量な電磁波に反応して頭痛、疲労感、めまいなどさまざまな身体症状が起こってくる電磁波過敏症が問題になってきています。

また化学物質過敏症との併発率が80%という驚くような調査結果も明らかにされ、化学物質過敏症患者さんにとって電磁波は見過ごすことができない汚染物質の一つとなっています。

著者のシャリタ博士によると、電磁波のバックグラウンドは100年前より2億倍も高くなったということで、今まで私たちが経験したことのない電磁波環境で生活していることになります。
携帯電話の凄まじい普及により、全国の隅々まで携帯電話の中継基地ができ、高圧送電線や電子レンジ、パソコンなどの家電製品からの電磁波と相俟ってどこに住んでいても電磁波被爆からのがれることができなくなっています。

化学物質過敏症患者さんだけでなく、すべての人が気付かないうちに何らかの影響を受けていることは明らかです。
著者のシャリタ博士はイスラエルの医療微生物学者で、電磁波と化学物質の有害性に関するコンサルタント、作家、科学編集者としても活躍されています。2002年にはイスラエルや日本の国会の委員会で、携帯電話のリスクについて訴えています。

本書では電磁波がいかに人体に悪影響を与えるのかを、科学的研究結果に基づき丁寧に説明され、電磁波と化学物質汚染のリスクと、その回避方法についても紹介しています。

少し難しい箇所もありますが、加藤さんが苦労して付けて下さっている訳注も参考にされて読み進んで下さい。

すでに化学物質過敏症や電磁波過敏症を発症している人だけでなく、健康を維持していきたいと考えている人すべてに参考になる内容と思います。
訳者であるフリーライターの加藤やすこさんはご自身も化学物質過敏症で数年間苦しみ、この本の監修者の一人である出村 守医師(でむら小児クリニック院長)のアドバイスのもとで大変な努力をされて日常生活がどうにか送れるようになるまで軽快されていましたが、最近は電磁波過敏症の症状の方が出てきて苦労されています。

電磁波と化学物質のリスクと回避対策を考える市民団体「VOC-電磁波対策研究会」代表をされ、環境病をテーマに執筆活動を続けられています。現在具体的なアドバイスや症例を盛り込んだ「電磁波過敏症と化学物質過敏症のQ&Aブック」をご執筆中で今冬には出版予定だそうです。乞うご期待!
化学物質過敏症外来に通院されている患者さんの一人が交流ノートを外来に準備して下さいました。普段外出もままならず、なかなか話す機会がない方も多いので、是非活用していただいて経験交流や相談の場にしていただけたらと思います。

外来受診の際に覗いてみて下さい。