第16回日本アレルギー学会春季臨床大会報告(その1) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/
・独立行政法人国立病院機構盛岡病院 化学物質過敏症外来便り
2004年5月号(Vol.2 No.5)
第16回日本アレルギー学会春季臨床大会報告(その1)
2004年5月12日から14日の3日間、前橋市で第16回日本アレルギー学会が開催されました。

水城は5月14日の化学物質過敏症外来を休診にさせていただき、「化学物質過敏症外来患者に対する問診表QEESIを用いた化学物質不耐性と症状との関連性の検討」という演題で発表してきました。
この中で、盛岡病院の化学物質過敏症外来を受診された患者さんのうちで新築家屋入居やリフォームあるいは職業性曝露など明らかな化学物質曝露のエピソードがある方に、初診時に記入していただいたアンケートからどのような化学物質不耐(耐えられなさの程度)があるとどのような症状が出てくるのか、どのような化学物質に耐えられないと日常生活に支障がでるのかをまとめてみました。
化学物質曝露後にはすべての化学物質不耐項目で多数の症状と相関がみられましたが、殺虫剤・除草剤、ガソリン臭、ペンキ・シンナー、消毒剤・クリーナー、マニュキュア・ヘアスプレーなどは特に筋、心・循環、認識、情緒、神経症状と相関が強いでした。

日常生活障害では車の排気ガス、殺虫剤・除草剤、ガソリン臭など屋外環境要因で影響が強かったです。

このことからいえることは、化学物質過敏症の治療や発症予防のためには、屋内の環境への対策だけでなく屋外の環境要因の改善も重要であることがわかりました。

個人の努力で改善させていくのは困難ですが、地方自治体などへの働きかけも必要だと実感しています。
次号では、学会で化学物質過敏症関連のシンポジウムやその他の一般演題も報告されていたので、それらについてもお知らせします。