化学物質過敏症における環境要因の影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/

・国立療養所盛岡病院化学物質過敏症外来便り
2004年3月号(Vol.2 No.3)
化学物質過敏症における環境要因の影響
14年12月に化学物質過敏症外来を開設してから、1年が過ぎました。

この間に約40名の方が外来を受診されました。

この中で症状が発現するにあたって何らかの化学物質の暴露がある方が32名ありました。

外来を初診された時に問診票に記入していただいています。

この問診票は住宅の環境やご家族のこと、今までに罹った病気、現在治療を受けている病気などについて詳しくお聞きしています。

これに加えてどのような化学物質に対してどの位耐えられないのか、どのような症状が起こるのか、これらの暴露によって日常生活がどの程度障害されているのか、また日常生活において接するものや、飲食するもので化学物質がどの位あるのかなどをスコア化(点数化)してお聞きしています。

この問診はQEESI(日本語版)といって米国のテキサス大学のMiller先生が世界共通に使用できる化学物質過敏症の診断、スクリーニングのために作成された問診票です。

日本では北里研究所の石川哲先生が翻訳されたものが使用されています。
盛岡病院の患者さんたちにもQEESIをやっていただいていますが、その結果いくつかのことがわかってきました。

この中で今回は各化学物質不耐性因子がどのような日常生活障害に影響してくるのかについて言及します。

車の排気ガス、タバコの煙、殺虫剤・除草剤、ガソリン臭、消毒剤・クリーナーの因子は日常生活の多くの項目で障害が強く見られました。

新しい家具や衣類、化粧品の使用に耐えられず、また社会活動、家族関係、家事で強い障害を訴えられる方が多く、まともに日常生活を送るのが困難であることがわかりました。

特に車の排気ガス、殺虫剤・除草剤、ガソリン臭などの屋外環境要因は日常生活障害への影響が大きく、いわゆるシックハウス症候群における室内環境物質と異なり個人の努力だけでは回避が困難です。

化学物質過敏症発症の治療、予防のためには、大気汚染物質、農薬散布、野焼きなどについて環境基準の見直しや実際の環境改善事業など国や自治体に働きかけていく必要があります。