・出典:国立病院機構盛岡病院化学物質過敏症外来便り
http://www.moriokahosp.jp/
・国立療養所盛岡病院化学物質過敏症外来便り
2003年月9号(Vol.1 No.6)
化学物質の濃度測定について
はじめに、前号でお知らせしていた盛岡病院の「化学物質過敏症外来」の化学物質濃度測定の結果をお知らせします。
測定は新菱冷熱工業東北支社でやっていただきました。
この会社は筑波に最新設備を有する研究所があり、換気装置、空調設備、空気清浄機などの研究、開発をしています。
国立相模原病院や北里研究所の臨床環境医学センターなどの設備を手がけています。
結論としては、当院の「化学物質過敏症外来」の化学物質濃度はホルムアルデヒド、トルエンはじめTVOCも非常に低濃度であり、かなりクリーンな空間であることがわかりました。
24時間のロスナイ換気や空気清浄機「光工房」、光触媒の和紙の効果があったと考えて良いのでしょうか。
外来に来られる患者さんたちの「空気がやさしい」「外来にいたら気持ちが良くなった」という感想は実証されたようです。
もう一つ喜ばしいことは、外来診察室の外の空気も同時に測定していただいたところ、これも非常にクリーンであることがわかりました。
病院の周囲は工場もなく、また田んぼや畑もすぐ近くにはなくて農薬の影響も少なくまた幹線道路よりも離れていて構内には大きな木がたくさんあるからでしょうか。
都会にある化学物質過敏症の診療施設の周囲の環境はかなり汚染されていると聞きました。おそらく全国の化学物質過敏症の診療施設の中では、有数の周囲の環境がクリーンな診察室ではないでしょうか。
今回の測定で、一つ興味深い事実が判明しました。
診察室にデモのために木枠を置いていたのを覚えていらっしゃるでしょうか。測定した化学物質の中で2種類、外気には全く検出されなかった物質がありました。
これがその木枠からでたのではないかと予想されます。
ただ濃度としては高くないので、化学物質過敏症の患者さんは避けた方が良いと考えられているスギやヒノキなどと比べたら十分使用できる筈です。
ただ中にはこれでもダメな方がおられるかもしれません。
無垢の木でもダメな場合があるので、使用には慎重でなければなりません。