・○眼の病気と額面湿疹
VDTをじっと見続けていると眼が疲れることは、かなり一般的になっている。眼は、光が描く画面の上を絶え間なく動くことで、知らず知らずのうちに酷使されている。この眼の疲れは、頭痛などの原因にもなり、イライラや集中力の低下などにもつながっていく。
こういった眼精疲労のレベルと異なり、眼の病気そのものも電磁波によって数多く発生することがわかっている。
その代表が白内障である。
1977年、米ニューヨーク・タイムズ社の34才と29才の男性が、VDT作業を6か月と12か月行った後に、白内障の初期段階になった。
この症状を見たニューヨーク州のザレー財団研究所長のミルトン・M・ザレー博士は、その後もVDT作業によって白内障になったという、数多くの事例を報告している。
この白内障は、電磁波による影響と緒論づけられた。VDT作業によって起きる目の障害は、白内障以外にも、緑内障や網膜剥離が報告されている。
イギリス・セントジョーンズ病院皮膚科の、R・J・G・ライクロフトとC・D・カルナンは、ある工場のオフィスでVDT作業を行っていた2人のオペレータが、相ついで顔面発疹を起こしたことを報告している。
ノルウェーのオスロ労働監督局のH・H・ティヨーン博士は、80年にVDT作業に関わった人で、顔面発疹になった40人を評価したところ、そのうち16人が労働条件が関わって引き起こされた顔面皮膚炎とみなされると発表した。
『マイクロウェーブ・ニュース』81年3月号によると、カナダ・オンタリオ公務員労働組合に報告された顔面発疹の症例は、過去18カ月で12例にのぼるという。
この顔面発疹の原因として最も有力視されているのが、静電気である。
ディスプレーには絶え間なく電子ビームがうちつけられているため、静電気が起きやすく、埃が吸い寄せられる。
ノルウェー・クリスチャン・マイケルセン研究所のウォルター・カート・オルセン博士は、ディスプレーが発する静電気が、オペレータ自身にも静電荷を蓄積させるため、両者の間に電位差が生じて皮膚に汚染物質が引き寄せられるのではないか、という考え方をうちだしている。
また、電磁波を絶え間なく被曝することによって、免疫力が低下し、アレルギ一状態になりやすいことも原因の一つと考えられる。