・いまや世界中に約六億台もの携帯電話があり、普及率が五○%を越えている国もフィンランド・スウェーデン・イタリア・香港・台湾・韓国など、日本も九月まで六一六一万台(PHSを合む)と四七%に達していて特に若者に大人気であることは言うまでもありません。
頭痛が六倍も増加しているとのスウェーデン・ノルウェーの合同研究もあります。
携帯電話から放射されている電磁波の半分は頭に吸収されているわけですから、私は携帯電話のことを「小型の電子レンジ」だと言っています。
英国の新聞には「頭を料理する携帯電話」とまで紹介されたことがあるほどです。
九九年五月、英国でハーデル論文がマスコミを賑わしました。
携帯電話を右耳で使う人と左耳で使う人の脳腫瘍を調べた疫学研究なのですが、使用する側の腫瘍が実に二・五倍前後に増加しているのに、使用しない側などでは増加していないと言う研究内容だったからです。
統計的に有意な結果ではなかったのですが世界的に話題になったのです。
しかし日本ではほとんど紹介されませんでした。
そういえば、九八年十二月に米国の連邦通信委員会(FCC:日本の郵政省・電波局に相当)がソニーの携帯電話をリコールしたのですが、そのことを報道したマスコミもなかったように思います。
いま問題になっているのが、携帯電話の基地タワーのことです。
携帯電話を使用している人たちには、リスク(危険)とベネフイット(利益)とのバランスが成り立ちますし、「脳腫瘍の人体実験の志願者たち」になることも本人が判断しているわけです。
しかし、タワー周辺にいる赤ちゃんたちは、危険性しかないからです。
欧米と異なり、日本の携帯電話システムは小ゾーン方式ですから、人口密集地に沢山のタワーを建設しなければなりません。
その結果として、被曝する人たちが増えてしまうわけです。
自然界にある高周波の電磁波は大変弱いのですが、この地球はもう自然界強度の一○○倍もの「電波の海」になっているというのに、更に頭の真横で自然界強度の一○○万倍もの被爆を受け始めたというわけです。