電気学会「電磁界報告書」の問題点3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 会場からの質問で、電力会社の人から「(グループ)報告書に困っている。例えばガウス・ネットワークなどが利用しているからだ。

それについてはどう答えたら良いのか?」との質問があったのだが、司会の宅間教授は「そのような質問を想定して、笹野さんに答えて頂いたし、武部さんの話しにもなっている」と答えるのみだった。

彼らも困っていて、電力会社の一番知りたい事に「答える事すらできないのだなー」と思ったことである。

それではまずいと思ったのだろうか、多気教授が回答に立ち「NIEHSの中には疫学者が多い」「疫学には意味がないとは言わないが、生物学的データではネガティブなものが増えている。

私は疫学はあいまいだと思うし、尺度の取り方も高い値が出る。

しかし疫学者からすれば(危険性が)あり得ることになる」と述べていた。

環境ホルモンでもわかることだが、現在ほど「疫学の重要な時はない」と私は確信しているし、IRACも疫学を重視している研究機構なのである。

「疫学を軽視する」多気教授が日本の代表として国際会議などに出席しているのだから驚いてしまう。

それだからこそ郵政省などから重宝がられているのであろうか。

多気教授に続いて宮越助教授も発言し、「報告書の出る1週間前にフロリダ(のBEMS国際会議)にいた。その時の感想だが、EMF(電磁場)のHealth Hazard(健康被害)研究は終わったように思う。

これからは Medical Application (医学応用)の方へ行こうとの報告が多かったので、私は逆に驚いた」と述べていた。

(荻野注:99年6月のBEMS国際会議では多数の影響論文が発表されている)
 秋には完成されるはずの「学会報告書」の方はいつまでたっても発表にはならなかった。

99年になって報告書が出版されたらしい事は知ってはいたが積極的に読もうとの興味も湧かなかった。

しかし、問い合わせがあったことから購入して読んで見たのである。「グループ報告書」のことがどのように書かれているのかにも興味を持ったからでもある。
 要約の最初のページに「正しい知識を広めることも重要であるとの認識から、平成10年7月までに3回のシンポジウムを開催した」と書かれているので、きっと6月に発表された「グループ報告書」のことについても書かれているに相違ないと思って読み進めたのだがそうではなかった。

「本報告書の校正中に、RAPID計画を主管している米国国立環境衛生科学研究所(NIEHS)が、RAPID計画ワーキンググループの報告書を発表した。この中で、磁界は人に対して発がん性の可能性があるかもしれないとしており、NIEHSは公聴会を開催するなどして、広く意見を聴取した後に集約する予定である。

当委員会としても、今後、内容について十分検討していく予定である」と書かれているだけで、別な箇所にも「1998年末には、米国連邦政府に対して、これらで取りまとめられた報告書が国立環境健康科学研究所から提出される予定になっている」としか書かれてはいないのである。

「健康衛生科学研究所」なのか「環境健康科学研究所」なのか小生も翻訳に迷っているのだが、電気学会も迷っていると見えて両方を記載している。

とにかく、第3回シンポジウムに出席していた小生としては「グループ報告書」の評価がまったく書かれていない事にガッカリしたのであった。