ギーセン市近郊のリンデン市の先進科学研究所のヴィルフリート・ディンプフェルは、男女36人に15分間にわたり携帯電話を電源を入れた状態にして頭から40cmの距離に置き、脳波を測定したところ、中央部の神経系の働きに僅かながらはっきりとした変化が記録された。
リューベックの医学物理学者レープレヒト・フォン・クリーツィング博士は、ボランティアで参加した被験者に217ヘルツにパルス化した高周波(ドイツの基地局と同じ電波)を浴びせたところ、15~20分後に、かつて医者が観察したことの無いような脳波の変調が記録された。
この「トゲ状波」としての脳の反応は、照射を止めてから24時間以上も存続して見られた。パルスの無い電磁場での同様の実験では何の影響も見られなかった。パルスのある電磁場の問題は、既に15年前から示唆されている。
細胞膜におけるカルシウムの流出は、そのような電磁場の影響によって高まる。リューベック大学病院では、パルスのある電磁場によって、細胞の免疫反応が90%減少することを検証している。
一連の動物実験では、その他、微弱な強度においても、モルモットの逃避や学習の行動の変化が見られた。
学術的な注目が増したことにより、磁場を加えた場合、特にドイツおよび欧州の基地局で使用している低周波や、高周波に調整された情報においてメラトニンの生産の減少が見られるとの結果が増えてきた。
継続的あるいは長時間のケータイの使用後に少なくとも敏感な被験者にほとんど例外なく見られる頭痛、睡眠障害、集中力・記憶力の低下、いらつき、発汗、勃起障害、高血圧、免疫力の低下、通常なら害が出ない病原菌やウイルス性疾患、ガン細胞に対する抵抗力の低下といった一連の自律神経系等の症状は、電磁場によって引き起こされたメラトニンの減少によるものと理解されよう。
メラトニンが脳の松果体から分泌されるホルモンであることは知られている。明らかなメラトニン分泌量の低下は、低周波のエレクトロ・スモッグ(電波による大気汚染)においても見られる。
まさに、ドイツおよび欧州携帯電話基地局と同じく100~250ヘルツのパルスに変調した電波が、脳において、いわゆる日周性のリズム、特に睡眠・覚醒のリズムを掌るメラトニン生産の明らかな減少を招く。
それで、我々は、不眠と翌朝と日中の疲弊感が、「睡眠ホルモン」としてのメラトニンの減少による症状であることをつきとめた。
また、メラトニンはとても重要なホルモンとして、副腎におけるいわゆる「ストレス・ホルモン」であるアドレナリンやノルアドレナリンの生産を制御する。
メラトニンが不足すると、それに応じてストレス・ホルモンの生産が減少する。
ヒトは、ストレスに敏感になり、次第に日中のストレスに対応できなくなる。
疲弊、興奮、意気消沈が起こり、仕事や私的生活に好ましくな無い結果を招く。