ディーゼル排気吸入によるスギ花粉症の悪化には,ガス成分と微粒子の両方とも関与する | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:食品・薬品安全性研究ニュース
http://www.jpha.or.jp/jpha/jphanews/anzensei.htm

・ディーゼル排気吸入によるスギ花粉症の悪化には,ガス成分と微粒子の両方とも関与する

 現在, 花粉症患者の増加は世界的な問題である. 日本でも1964年にスギ花粉症が最初に報告されて以来, 患者数が急速に増加していることから, 深刻な健康問題として関心を集めている.

現在, 日本でのスギ花粉症の罹患率は, 成人で10~20%, 子供で5~10%と報告されている.

スギ花粉症は, くしゃみ, 鼻漏, 鼻鬱血および流涙を症状とする典型的な即時型アレルギー疾患である.

発症には, スギ花粉抗原特異的 IgE 抗体が関与する.
 疫学研究や動物を用いた研究から, ディーゼル排気微粒子がスギ花粉症を悪化させることが知られている.

例えば, マウスを用いた実験では, スギ花粉抗原あるいは卵白アルブミンとディーゼル排気粒子を鼻腔あるいは腹腔に投与すると, 抗原特異的 IgE 抗体産生が起こったという報告がある.

しかし, これがディーゼル排気微粒子曝露に限ったものであるのか, あるいは他の吸入大気汚染物質も同じ作用を有するのかについては, ほとんど報告されていない.
そこで, 著者らはディーゼル排気に含まれる微粒子およびガス成分がどのようにスギ花粉症の発症に関与するのかを調べるために, ディーゼル排気, 関東ローム粉あるいは微粒子除去ディーゼル排ガスをマウスに吸入させる際に, 同時にスギ花粉も吸入させる実験を行った.

なお, 関東地方の大気中に存在する細かい土埃である関東ローム粉は, ディーゼル排気微粒子に対する比較微粒子として用いた.