【光化学スモッグ】2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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オゾンは反応性に富んでいるから、高濃度のまま存在し続けることはできず、大気中で種々の化合物と反応し、あるいは地表、特に植物などと反応して消滅する。

日没に向かい太陽光が弱まるにしたがってその生成も止む。

この現象は、大気中での化学反応を基本としているため、反応に一定の時間を要し、汚染物質を含んだ空気塊はある程度移流するため、窒素酸化物などの一次汚染物質が排出される都心よりは、数kmから数十km離れた郊外で濃度が高くなることが多い。

日本では光化学オキシダントに係る環境基準の達成率はきわめて低く、1%にも満たない状態が続いている。

また、日本ではオゾン濃度の1時間値が0.12ppmを超えれば注意報、主に0.24ppmを超えれば警報を出し、汚染物質の排出抑制を図るとともに、住民に対して注意を喚起する情報をリアルタイムに近い1時間単位で提供するシステムが構築されている。

オゾン濃度の測定は主に紫外線吸収法で行われるが、日本では中性ヨウ化カリウム法との併用となっている。

後者の方法ではオゾンのみならず、酸化性の物質の多くが測定されるため、光化学オキシダントとして表示されている。

 前述のように、光化学スモッグを引き起こす主な要因は3つある。

窒素酸化物、炭化水素および太陽からの紫外線である。

太陽光の制御は困難であるから、どの国でも前2者の排出抑制が図られている。窒素酸化物の抑制は酸性雨等のケースとまったく同一である。

これに加えて日本では2006年4月から、炭化水素の発生を抑制するための行動を開始した。

このことにより、同時に大気中の浮遊粒子状物質濃度の低減効果が期待されている。
 光化学スモッグの原因物質は主に都市部で発生されるために、従来は都市型の地域汚染の典型と見られていた。

しかし、最近、これに加えて2つの経路のあることが指摘されている。

一つは成層圏のオゾンが地表面に降下してくる現象で、春先にオゾン濃度が高くなる原因ではないかとされている。

もう一つは対流圏全体でのオゾン生成による広域的なオゾン移動によるもので、日本では海洋側からの移流に加えて大陸からの移流が重要視されている。

このように、光化学スモッグは地域汚染と地球規模環境問題の両側面とを有しており、その効果的な対策を実行することは容易なことではない。