【光化学スモッグ】 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・「出典」APEC 環境技術交流バーチャルセンター
http://www.apec-vc.or.jp/j/

・光化学スモッグ
  1942年頃から、米国のロサンゼルスでは今までのスモッグと少し異なった大気汚染が発生し始めた。

これが発生すると、大気が褐色を帯び、視程が悪くなり、眼を刺激し、植物に特異な被害を与えたりするが、この発生は晴天の日に限られていた。

1950年代初め頃、カリフォルニア工科大学のA.H.Haagen-Smit教授により、この汚染はオゾンを主体としたものであること、自動車排ガスに光を照射するとオゾンが生成されることなどが明らかにされた。

 自動車や工場から空気中に排出された二酸化窒素(NO2)は高濃度では褐色の色をしており、太陽からの可視から紫外領域の光を吸収し、一酸化窒素(NO)と原子状酸素(O)に光分解される。

ここで生じた原子状酸素は非常に反応性に富んでおり、ただちに酸素(O2)と反応してオゾン(O3)を生成する。

この反応だけであれば、オゾン濃度はそれほどには高くはならない。

しかし、大気中には自動車などから排出された種々の炭化水素(HC、有機化合物)が存在しており、これが光化学スモッグの生成に重要な役割をはたしている。

炭化水素の存在により、大気中でオゾンの蓄積が進み高濃度となるとともに、アルデヒド、アクロレインやPAN(パーオキシアセチルナイトレート)などの有害有機物を生成する。

このように、光化学スモッグの主成分は自動車などの発生源から直接排出されるのではなく、大気中での化学反応で二次的に生成される。

オゾンなどは強い酸化力を持っており、総称して光化学オキシダントと呼ばれ、いわゆる光化学スモッグの原因物質となっている。

 オゾンは強い酸化力を持ち、高濃度では人の眼やのどへの刺激や呼吸器に影響を及ぼし、農作物などにも悪影響を与える。

PAN類はさらに強い有害性があるとされている。

日本では光化学オキシダントに係る環境基準は1時間値が0.06ppm以下であることとされている。

この0.06ppm以下という値は、実際の地域住民の健康被害の様態が主として急性影響の形で出現していることから、眼及び呼吸器の刺激症状をはじめとする各種短期暴露の影響防止という点に特に注目して定められたものである。

一方、植物影響については、少し評価法が異なっており、最近AOT40という指標が使われることが多い。

これは、オゾン濃度が40ppbを超えた時間がどれくらいあったかという、植物に悪影響を与えるような濃度の蓄積暴露に基づく評価である。