大和郡山市における化学物質による健康被害原因裁定申請事件3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ウ対策の現状
(ア) 室内濃度指針値の策定
厚生労働省のシックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会では,ホルムアルデヒド等の13項目について,室内濃度に関する指針値を策定している(乙第4号証)。

これは,人がその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から算出したものであり,特殊な発生源がない限り,全ての室内空間が対象となる。

本指針値は,法的拘束力があるものではないが,これを満足するような建材等の使用,住宅や建物の提供が考慮されるようになる上で大きな役割を果たしてきた。

ただし,この指針値は,化学物質によりシックハウス症候群を引き起こす閾値を意味するものではない。このため,指針値を超過していることのみをもって,直ちに,当該化学物質が症状誘発の原因であると判断することは必ずしも適当ではなく,症状誘発の関連因子を特定するためには,慎重かつ適切な臨床診断に基づく総合的な検討が必要であるとされている(乙第1,2,4号証)。
(イ) 建築基準法等による規制
平成14年7月に建築基準法等の一部を改正する法律(平成14年7月12日法律第85号)が公布され,平成15年7月から施行され,
①居室を有する建築物には,クロルピリホスを添加した建築材料の使用を禁止する,

②居室の種類及び換気回数等に応じて,内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建築材料の品質によりその使用面積制限を行う,

③居室には,一定の条件を満たす機械換気設備の設置を基本的に義務付ける,などの居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置(シックハウス対策)に関する技術的基準の整備が行われた(乙第3号証)。
平成15年4月1日施行に係る建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。

いわゆるビル管理法)2条1項, 4 条, 同法施行令1 条, 2 条1 項イ7 号に基づき, 特定建築物(百貨店,事務所,ホテル等の用途に使用する延床面積が3000㎡以上の建物等)の室内空気の管理基準はホルムアルデヒドについて0.1㎎ /㎥以下とされている。
(ウ) 化学物質過敏症に対する対策化学物質過敏症については,上記シックハウス対策として行われているものを除き, 対策, 規制等は特に行われていない( 審問の全趣旨)。