・【続】「茶のしずく110番」NHK放映の波紋~被害者の声
2011年8月10日 13:05
東京に住む女性のかたからのご意見では、24歳になる会社員の息子さんが悠香のお茶石けんを使用して顔面にアレルギー症状を発症。
現在では通勤にも支障が出るほどの重い症状だという。
息子さんは食事のあとランニングを行なう習慣があり、運動の後、かゆみを生じた顔を小麦成分を含んだ悠香のお茶石けんで、かゆみを落とすために強く洗い続けていた。
この母親が多数のアレルギー症状を引き起こしている『茶のしずく』のことを知ったのは、8月1日にNHKの朝番組を観たときが初めてだったという。
これまでパスタなどをたくさん食べさせてきた自分を責めるような口調で、「息子は治るのでしょうか。どれくらい治療すればいいのでしょうか」と狼狽したようすで電話をかけてきた。
じつは、『茶のしずく』を購入したのはこの女性の母親、つまり被害者である息子の祖母で、「いい石けんだから」と、定期的にケース入りの同品を大量に送って寄越していたのだという。
現在、使い残しの小麦由来成分含有の旧『茶のしずく』が半欠けと、新『茶のしずく』がケースまるごと手元にあるという。直接購入した祖母のもとへ回収DMが届いていたかどうかはわからないが、仮に届いていたとしても、祖母はそのDMを見落としていたものと思われる。
このようなケースが少なくないようで、被害者の特定に時間を要している。
母親は、裁判になったときの証拠品として使い残しの石けんは保管しておくと痛々しい口調で話していた。
福岡県に住むBさんは、健康食品の製造会社を営んでいる。話によれば、家族全員が『茶のしずく』の愛用者だったらしい。最近になってBさんの妻は、パスタやうどんを食べた後に顔や体にじんましんが出るようになった。
NHKの朝番組を観たBさんは「石けんのせいではないか」と冗談交じりに話していたらしいが、奥さんは「そんなことはない」と否定していたという。
「決して事を荒立てる気はないのだが・・・」と前置きして、Bさんは奥さんの症状を説明した。じんましん以外にも、唇が腫れるなどの症状が出るという。
唇が腫れるという症状を聞いたのは初めてだったが、これはアナフィラキシーに特有の症状でもある。記者は被害弁護団の連絡先を教えた。
「原因が特定されれば、製造責任は問わせてもらう」と、記者の話を聞き終えたBさんは憤ったようすで電話を切った。
少なくともBさんの奥さんは、回収DMを見落としたものとしか考えられない。
このようなケースも多いと見られており、既報のとおり悠香はテレビCMなどを使って広く一般に呼びかけて被害拡大の防止に努めるべきではないか。
刻一刻と被害は今この時も広がっているのである。
今や病院の皮膚科では、アレルギー症状で来診した患者に対し、「『茶のしずく』を使用していないか」と問診するのが通例になっているという。
大手通信社も前代未聞の社会事件に発展したこの事件をもっと取り上げていいのではないか。
【田代 宏】