・<健康食品・サプリメント業界の現状は?>
現在、世のなかに出回っている健康食品やサプリメントには、安全性や科学的な研究の裏付けがなく、使用者の成果も得られていない食品が少なくない。
健康づくりのために何を選び、どのように使えば最も期待する効果が得られるのか、正確な知識を持ち合わせている消費者は少ない。
仮に科学的に裏付けられた商品であったとしても、子供や高齢者、障害者、病者など、その商品を使用する者の年齢や体質、生活条件などによって適正な使用法は異なってくる。
そもそも消費者が適切な使用を行なうためのじゅうぶんな情報提供がなされていないばかりか、それらの情報を伝達するための手段が行政によって制限されている。
しかも、本来ならば健康食品やサプリメントの使用方法をアドバイスする立場にある医師や薬剤師、保健師、管理栄養士、サプリメント・アドバイザリースタッフなどの専門家が手にすることができる情報もじゅうぶんでないため、やむをえず彼らは健康食品を患者や使用者から遠ざける方向に傾かざるを得ない。
<消費者への情報提供が不可欠>
健康食品・サプリメントの相互作用、健康被害事例が増加するなか、今こそ安全情報を的確に医療機関、健康産業界などに提供し、医療機関や健康産業だけでなく、マスコミを通じて機能性食品を使用している一般の消費者に対して適切な情報を発信する仕組みが求められている。
その健康食品・サプリメント情報の基本となるのは、世界中の研究論文を精査する最大のデータベースであるNMDBであり、同データベースを活用して情報提供をするとともに、日本特有の健康食品・サプリメント成分についての情報も収集・発信することが可能となるだろう。
さらに、健康食品やサプリメントの正しい知識を普及することによって健康被害を減らし、国民の健康増進に寄与することこそが、業界人はもちろん、行政の努めである。
さらに、そのような知識を書物やネットを通じて積極的に吸収しようという消費者の意欲こそが、健康食品・サプリメントの適正な流通基盤を支える大切な根拠となることを忘れてはなるまい。