・ミニシンポジウム19
気管支喘息―診断と管理5―疫学と実態調査―
座長:木村啓二1), 長谷川眞紀2), 足立雄一3)(平鹿総合病院第二内科1), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター2), 富山大学医学部小児科3))
MS19-13.外来で吸入ステロイド(ICS)療法を行っている気管支喘息患者の検討
飯島弘晃1) 宮崎邦彦1) 清水 圭1) 金本幸司1) 石川博一1) 増子裕典2) 坂本 透2) 檜澤伸之2)
筑波メディカルセンター病院1) 筑波大学大学院人間総合科学研究科2)
--------------------------------------------------------------------------------
【目的】当院外来でICS処方を行った気管支喘息患者で,定期的なICS療法を行っていたにもかかわらず,入院治療を要した患者の臨床背景について検討する.
【対象・方法】2007年4月1日~2008年3月31日まで,当院外来でICSを処方し1年以上治療を継続していた症例112名(男/女62/50)の臨床背景について後ろ向きに検討した.
【結果】ICSを1年以上継続していた症例は平均55.8歳(男/女52.2/60.5歳),平均通院回数は年4.9回(男/女4.7/5.1)であった.
ICSを継続しながら2009年3月31日までに入院となった症例は10名(男/女3/7名)で,平均54.6歳,通院回数は年7.2回,入院前治療ステップは重症持続型5名,中等症持続型5名,経口ステロイド使用5名(頓服4,常用1名),入院日数は平均9.8日であった.
10名中明らかな肺炎を合併したものが70歳以上の高齢者5名で4名がCOPDを合併していた.
病歴としては過去の入院回数が平均2.8回,喘息の家族歴を有する者6名,アスピリン喘息3名,鼻炎合併が4名であった.
【考察】1年間の調査ではICS継続患者で入院となった症例は8.9%で,COPDを合併した高齢者や喘息の家族歴のあるアスピリン喘息症例がハイリスクと考えられた.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催