ステロイド薬投与の副腎機能への影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム13
気管支喘息―治療2
座長:岩永賢司1), 笠原慶太2), 安場広高3)(近畿大学医学部呼吸器・アレルギー学1), 昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター2), 三菱京都病院呼吸器・アレルギー科3))

MS13-10.気管支喘息児におけるステロイド薬投与の副腎機能への影響

村上洋子 田場直彦 本村知華子 小田嶋博 西間三馨
国立病院機構福岡病院小児科


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気管支喘息でステロイド薬の全身投与による副作用として副腎機能低下となる可能性がある.

前回の第58回日本アレルギー学会秋季大会で,副腎無反応群(CRH負荷検査によるコルチゾール値が前,30分,60分,90分,120分のいずれも正常値(6μg/dl)以下)では総ステロイド投与量が,副腎低反応群,正常群に比して有意に多かったことを報告した.

今回症例を増やして再検討し,報告する.

【方法】ステロイド薬全身投与(内服,静注)治療を行った喘息患者にCRH負荷検査を行い副腎機能を検査した.

【対象】2006年3月~2009年6月までに,当科でCRH負荷検査を行った患児25名,のべ44例.【結果】副腎機能不全は20例(n=16),下垂体機能不全は11例(n=8),正常反応は13例(n=11)であった.

臨床的に問題となる副腎無反応は8例認めた.

【考察】今回は投与量を体表面積で調整し,身長の伸びについても追加検討した.

副腎機能検査は喘息患者をはじめとする薬剤投与などの影響の検討に有用であるが,特に近年ステロイド薬の使用が多くなっており,その副作用に関して臨床的意義が大きい.

今回の検討からも全身投与に関しては慎重であらねばならないと考えられた.今後,ガイドラインを使用していくにあたって,副腎機能の評価が重要であると考えられた.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催