・ミニシンポジウム12
気管支喘息―治療1
座長:三浦一樹1), 市丸智浩2), 長瀬洋之3)(秋田赤十字病院呼吸器科1), 佐賀県立病院好生館小児科2), 帝京大学医学部呼吸器・アレルギー学3))
MS12-6.オマリズマブが著効した気管支喘息の1例
宮沢直幹1) 井上 聡1) 佐藤 隆1) 小林信明1) 三科 圭1) 佐々木昌博1) 金子 猛2) 石ヶ坪良明3)
横浜市立大学附属病院呼吸器内科1) 横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター2) 横浜市立大学大学院医学研究科病態免疫制御内科学3)
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53歳,男性.小児喘息があり,16歳で寛解したが46歳時より喘息発作が再発.
2007年9月,重積発作のため当科へ入院となった.フルチカゾン1000μg,サルメテロール100μg,チオトロピウム18μg/day吸入,テオフィリン徐放製剤400mg,モンテルカスト10mg/day内服,プレドニゾロン(PSL)内服によりPeak flow(PEF)490L/minと改善し退院となった.
その後PSLを7.5mg/dayまで漸減したが2008年3月頃よりコントロール不良となり,PEF 300L/min前後に低下.
救急外来受診し点滴治療やPSL追加投与1~2回/月,サルブタモール頓用吸入4~10本/月が必要となった.
ダニ,ハウスダスト等のアレルゲンに陽性で血中総IgE値532IU/mlと高値であったため,2009年4月よりヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤オマリズマブ375mgの2週間毎皮下注射を開始.投与3日後より息苦しさが改善し夜間も安眠できるようになり,サルブタモールの頓用吸入も不要となった.
1週間後にはPEF値も300より400L/minへ改善し,オマリズマブが早期に著効したと考えられた.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催