・ミニシンポジウム12
気管支喘息―治療1
座長:三浦一樹1), 市丸智浩2), 長瀬洋之3)(秋田赤十字病院呼吸器科1), 佐賀県立病院好生館小児科2), 帝京大学医学部呼吸器・アレルギー学3))
MS12-#4.ステロイド依存性喘息患者におけるオマリズマブの効果について
横江徳仁 西村眞樹 田中博之 高橋大輔 八木健郎 久保昭仁 馬場研二 山口悦郎
愛知医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
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【背景と目的】喘息の長期管理において,重症喘息患者治療は依然として大きな課題である.最近上市された抗IgE抗体製剤であるオマリズマブは,そのような患者での有用性が期待されている.
今回少数例であるが,その使用印象を報告する.
【方法】対象はICSとLABAの吸入およびLTRA内服や抗コリン薬の吸入に加えて,平均5mg/日以上のプレドニゾロンの内服をしなければ,症状のコントロールが困難な4名(女性3名,男性1名,平均年齢54歳)の重症喘息患者である.平均体重59kg(範囲42-75,以下同),投与前IgE値305IU/ml(84-524)から,4週間あたり413mg(150-600)のオマリズマブを投与した.
【結果】約2ヶ月の観察で,症状改善例3例,不変例1例であった.
改善例ではPEFRは240l/分(200-270)から300l/分(250-380)に改善し,プレドニゾロンは1日量5.8mg(5-8)から3.3mg(0-5)に減量し得た.
血清IgE値は1ヵ月後に704IU/ml(482-968)まで上昇した.
不変例は統合失調症合併例で,治療アドヒアランスが不良であった.副作用は認められなかった.
【考察】オマリズマブは重症気管支喘息に対する新たな治療薬として,一定の役割を果たすことが確信される.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催
runより:オマリズマブの商品名はゾレアです。注射のようですね。