・ミニシンポジウム5
気管支喘息―診断と管理2―難治病態と発作への対応―
座長:中島宏和1), 杉山温人2), 平田健雄3)(近畿大学医学部奈良病院呼吸器・アレルギー内科1), 国立国際医療センター呼吸器科2), 静岡市立静岡病院3))
MS5-14.当院における小児喘息入院患者の年次変化(喘息様気管支炎も含めて)
簗詰紀子 小関直子 縄手 満 吉岡幹朗 鹿野高明 高橋 豊
KKR札幌医療センター小児科
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【目的】JPGLの普及による小児喘息入院患者の動向の推移について検討した.
【方法】1999年から2008年の10年間に当科に入院した喘息性疾患計2175名を対象として,1年毎の症例数,全入院患者に対する割合,男女比,年齢分布,月別の発生数について年次的な変遷を検討した.
【結果】症例数は2005年までの7年間は年間202~303名,2006年以降は減少し141~166名であった.全入院患者に対する割合は,1999年から2003年の5年間は11.1~16.3%であったが,以後徐々に減少し2006年から2008年は7.4~8.7%であった.
男女比は1.8:1であった.6歳以上の入院数は1999年から2001年は各年73,54,69名であったが,以後減少し,2007年,2008年は各年21,20名となった.2歳未満の児の入院数に大きな変化は認めなかった.
平均年齢は1999年の4.6歳をピークに以後低下し,2007年,2008年は2.4,2.6歳であった.
月別の発生数は2007年までの9年間は秋(9月から11月)が最も多かった.
【結語】治療の進歩により年長児の入院数は有意に減少した.
一方,年少児の入院数に変化はなく,この年齢層の管理については更なる検討が必要と思われた.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催