・ミニシンポジウム5
気管支喘息―診断と管理2―難治病態と発作への対応―
座長:中島宏和1), 杉山温人2), 平田健雄3)(近畿大学医学部奈良病院呼吸器・アレルギー内科1), 国立国際医療センター呼吸器科2), 静岡市立静岡病院3))
MS5-12.当院における救急受診した喘息発作症例と気象要因との関連の検討
武田直也 岡田木綿 鈴木嘉洋 加藤聡之 岩田 勝
刈谷豊田総合病院呼吸器・アレルギー内科
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【目的】喘息発作と気象の変化の因果関係は古くより知られている.
当院における喘息発作での救急受診患者数と気象要因との関連について検討した.
【対象・方法】2007年1月1日から12月31日の間に喘息発作で当院救急外来を受診した症例を対象とし,一日あたりの受診者数と気温,気圧,湿度,降水量,風速といった気象データとの相関をレトロスペクティブに解析した.
当地域の気象データは気象庁ホームページにて公開されている気象統計情報を用いた.
【結果】喘息発作で救急外来を受診した患者数は414名であった.最も受診が多かった月は10月の57名,次いで5月の54名であった.
受診者数と気象データとの相関では,全症例の解析では有意な相関は認められなかった.
受診者数が4人以上の日を抽出した解析では,最低気温,気圧との間に負の相関を認めた.
湿度,降水量,風速とは相関はみられなかった.
また吸入ステロイドの有無で分けた群での解析では最低気温,気圧は吸入ステロイド非導入例では相関が認められたが,導入症例では相関はみられなかった.
【結論】気温,気圧の低下は喘息発作の誘因になる傾向が認められた.
また吸入ステロイドを使用している症例では気象要因の影響を受けにくい可能性が示唆された.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催