呼気中一酸化窒素濃度に影響を与える因子 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム4
気管支喘息―診断と管理1
座長:吉原重美1), 浅井貞宏2), 小田嶋博3)(獨協医科大学小児科学1), 医療法人佐世保同仁会サンレモリハビリ病院2), 国立病院機構福岡病院小児科3))

MS4-13.小中学生における呼気中一酸化窒素濃度に影響を与える因子についての検討

中嶋直樹1) 村松礼子2) 望月博之2) 高見 暁2) 萩原里実2) 小山晴美2) 水野隆久2) 荒川浩一2)
公立藤岡総合病院小児科1) 群馬大学大学院小児科学2)


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<はじめに>気管支喘息の病態は気道の慢性炎症であり,炎症マーカーとして呼気中一酸化窒素(eNO)濃度が注目されている.

今回我々は小中学生の呼吸機能を計測し,受動喫煙,ペットの飼育とeNO値の関連につき検討したので報告する.

<対象と方法>群馬県のK地区の3小中学校において平成19年に在籍の全児童806名を対象にATS-DLD方式を元にしたアンケート,受動喫煙,ペットの飼育の有無を調査した.

保護者の同意の得られた児のeNO値をオフライン法を用いて計測した.<結果>学年が上昇するにつれeNO値も上昇していた.

喘息児でのeNO値は,非喘息,非鼻炎児に比べて有意に高値であった.非喘息群においても,アレルギー性鼻炎群では有意に高値であった.

性差はみられなかった.

喘息鼻炎群を除いた正常群において,ペット,受動喫煙が有りの方がそれぞれeNO値は低下する傾向があり,両方ある群はさらに低値となった.

<まとめ>小児においては,年齢,合併症,環境因子がそれぞれにeNO値に影響を与えることが確認された.

健常児を含めて検討することは気道炎症のマーカーとして確立する上で重要であり,今後も症例数を増やして検討する予定である.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催