・ミニシンポジウム4
気管支喘息―診断と管理1
座長:吉原重美1), 浅井貞宏2), 小田嶋博3)(獨協医科大学小児科学1), 医療法人佐世保同仁会サンレモリハビリ病院2), 国立病院機構福岡病院小児科3))
MS4-16.当院の気管支喘息定期管理における吸入ステロイド非使用症例の検討
井上考司 橘さやか 園延尚子 渊本康子 塩尻正明 中西徳彦 森高智典
愛媛県立中央病院
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【目的】気管支喘息治療において,吸入ステロイド(ICS)はStep2以上の全ての患者に使用が推奨されているkey drugであるが,必ずしもその普及率は充分ではない.
非専門医においてICS使用率が低いことは知られているが,呼吸器専門科におけるICS非使用の臨床的背景については充分評価されていない.
【方法】2009年1月から4月の時点で,当院呼吸器内科で定期通院管理を行っている気管支喘息患者において,ICSを使用していない症例をretorospectiveにカルテベースでの調査を行った.
【結果】当院で喘息として定期通院中の患者総数479例中,ICS非使用患者は34例(7.1%)に認めた.
ICS群と非ICS群の比較では,平均年齢60.6歳vs 68歳,当院通院年数10年vs 14年,重症度分類step平均1.41 vs 2.86などであった.
Step2でのICS非使用の理由は,高齢,コンプライアンス不良,口腔カンジダの既往などであった.
【結論】当院での喘息コントロールにおいてICSは90%以上に使用されていた.ICS非使用症例は,十分な吸気流速が得られない高齢者,治療年月が長期である症例,Step1-2の症状安定患者に多かった.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催