化学物質不耐性における神経の可逆性:第3部3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ポスター論文
末梢作用性コリンエステラ-ゼ阻害剤の中枢神経系への効果: ストレス、遺伝的素因との相互作用

多くの薬剤はある特定の作用部位を持つように開発される。

しかしながら、生理学(遺伝)的な個体差により、あるいは環境条件によって生理学的に個体が変化(化学的感受性の増大など)することにより、作用部位の分布が変異する場合がある。

末梢作用型コリンエステラ-ゼ阻害剤であるPyridostigmine bromide(PB)は、遺伝的素因および環境条件の違いに基づいて異なった作用発現部位を示す化合物とみなされている。

疫学研究では、湾岸戦争時にPB 注射によって薬効が遷延するのを経験したヒト個体の一部が、PB に対して過剰な反応を見せるヒト表現型と似た遺伝的素因を持っている可能性について示されている。

ストレス状態を引き起こし、急性もしくは持続性の生理学的変化をもたらす環境状況が、薬物作用部位の分布を変える可能性を示す他の研究もある。

PB の作用部位の順応的変化に関する基礎的研究では、ストレス状態にある個体にPB を注射するとその作用部位が変化することが示されている。

以下に示すのは、PB の行動学的・生理学的作用に関する二つの仮説(個体差の関与、および環境ストレッサーの役割)を検証した一連の研究を短く
要約したものである。

臭い負荷呼吸器学習試験における臭いに対する反応の症状の学習効果
多種類化学物質過敏症発症の説明中で、古典的な条件付け(conditoning)が提唱されており、その説明付けが正しいことが実験的にも積み重ねられてきている。

その実験的な方法はほとんどが、条件付けとしての臭い刺激と、条件付けでない負荷としてのCO2高濃度(例えば7.5%濃度)の呼吸気体条件により行われている。

この作業条件での研究法は、有毒物質暴露の効果や、臭いのある環境でしばしば見られる過換気(ストレス誘引のものであるが)の状態を模擬したものである。

この実験計画では、臭いに対して症状の増加が認められている。

本実験では50 名の精神科新入医局員を対象に2 分間10呼吸の負荷試験を行った。

臭いの型としてアンモニアとniaouli の2種類を、実験的および明かな対照なしの4型の負荷試験を行った。

空気での試行では差が認められなかった。

一方CO2混入での試行では、症状の増加が認められた。

これらの結果を論議、考察した結果、予測的なヒントとして臭いを目立たせる処置はすべて臭いの条件付けの可能性を高めるかも知れず、また、それが1種類の臭いの例でも起こり得ることが考えられた。