化学物質不耐性における神経の可逆性:序文2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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本シンポジュームは、神経系機能、または神経の可塑性の変化が化学物質不耐性の起因展開や持続に重要な役割を果たしているとする仮説の発展に焦点を合わせた。


これらの仮説を明かにするために、われわれはこの消耗を強いる症状の説明を行い得るような基礎神経科学者のトップを集めた。


本シンポジュームの主要テーマは、(1)ヒト化学物質不耐性;(2)化学物質不耐性の実験モデルと神経の可塑性の役割;(3)病的疼痛における神経可塑性;(4)サイトカイン、慢性疲労状態、そして病気の動態;(5)身体的なストレスと神経内分泌軸;そして(6)神経の条件付けである化学物質不耐性。
本学会では学会中およびセッション間に多くの実り多い議論のための素晴らしい機会が得られた。

すべての分野で興味あるデータ-が示された。

今回の会の大きな収穫は、疲労状態、慢性の痛み、身体・精神的なストレスに反応する脳、そしてその基盤となる神経回路の変化についての生物学的な変化について基礎科学者が臨床医と意見の交換を行ったことである。


さらに、基礎科学者達の一部は、この問題はこれまで気付いていなかった領域であり、これからの生物学の新しい展開の窓口を開くきっかけとなると述べていた。

全体としてみると、このシンポジュームは科学者と臨床医との意見交換の場となり、さらに神経科学者の訓練のうちに終えられた。

このような興味をそり、しかし議論の多い疾患は理論的に、また可能性のある方法で始められるべきであり、臨床医が治療法を確立しようとするならばなおさらである。

種々の領域の神経科学者が集まったが、ある程度の情報が得られたと思う。しかしさらに情報を積み重ねる必要があることは明白である。

本会の進行とともに、関係者の認識は増し、それは(1)物質不耐性患者が経験している多数の系にまたがる問題、(2)この領域の系統だった、そして相互に情報を交換できる研究の必要性である。

過敏性獲得、睡眠/疲労、痛み、条件付け、そしてストレスのような臨床の現象は、一見体の各所に広がり、重複しているが、この広がりが全体としてみると化学物質不耐性の現象を解読する役に立つであろう。


将来の研究では、個人差、経過を追っての状態、繰り返しての診察計画を考慮すべきだろう。中枢神経の可塑性はこの研究の出発点である。

今回の発表者ME Gilbert が述べたように、われわれは「これら疾患が確実に存在しているかという点を超えたところで討論した。本会が多種類化学物質過敏症の存在を確実に証明することにはほとんど役に立たなかったかもしれないが、この疾患やその関連疾患が重大な神経生物学問題であるとして健全な討論を発展させた。」化学物質不耐性やその関連疾患の基盤にある原因についてはわれわれは知識が足りないが、知識の少なさで患者の症状を幻覚であるなどとして見過ごすべきではない。


これら疾患の不可解な性質は逆に興味をわれわれに引き起こし、そして神経の可塑性の機構についての理解を深めるものであろう。

各演者はそれぞれの領域から正しい内容を用意した。

それらの発表はわれわれに臨床の症状と基礎的な科学的知識を結びつける方向へ誘導してくれた。

この基金で、化学物質不耐性やその関連疾患の原因や治療についての新しい問題へと進むことができるであろう