・アスピリン(解熱鎮痛剤) ぜんそく・高齢者ぜんそく・妊娠・検査と手術・運動誘発ぜんそく
アスピリンぜんそく
成人ぜんそくの一割くらいに、アスピリンでぜんそく発作を起こしたり、ショック状態になったりする方がいます。
多くの場合繰り返しますので一度反応をおこした方は避けたほうがよいでしょう。
アスピリンだけでなくインドメタシンなど、他の解熱鎮痛剤も同じ作用があります。
注射や飲み薬だけでなく貼り薬や塗布薬、目薬、坐薬などもありますので、医師や薬局に必ず相談してください。
高齢者ぜんそく
個人差によりますが、60 歳代以降の方は肺機能がなかなか良くならず、気道の過敏性も進みやすくなり、ぜんそく死の危険性が高くなります。また、食道を逆流した胃の内容物が気道へ入り込んで発作を起こしやすくなったりします(胃食道逆流)。
心臓疾患などの合併症にも注意し、定期的に薬や器具の使い方が適正かどうかを確認することが大切になります。
妊娠とぜんそく
妊娠中の重症なぜんそく発作は流産や胎児発育不全や脳障害の危険性がありますが、専門医と相談しながら適切にぜんそくの薬を使用し、禁煙(ご自身だけでなくご家族にも協力してもらう)、環境整備、ストレスを少なくすることなどによって、安心して出産することができます。
なお、陣痛促進剤や授乳中のテオフィリン薬の使用については注意が必要
ですので医師と相談しましょう。
検査と手術
外科手術・歯科手術自体ではアレルギー特有の危険性はほとんどありません。
手術時や胃カメラや抜歯の麻酔、造影剤に対する配慮が必要です。
麻酔の必要がある場合は必ずぜんそくであることを医師に伝えてください。
医師と相談し手術前にぜんそくの重症度を確かめ麻酔の方法を決めます。
ゴム手袋などでじんましんなどのアレルギーがある人は、ラテックスアレルギーの可能性があるため、手術前や点滴、カテーテルをする前に医師に相談しましょう。
運動誘発ぜんそく(EIA)
運動によって一時的に喘鳴や呼吸困難が起きます。
多くの場合は特に治療をしなくても運動をやめて20 ~ 30 分後には回復します。
しかし、喘鳴や呼吸困難だけでなく、じんましんやさらに意識がなくなったりする場合は食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こしている場合がありますので早急に医療機関を受診してください。
また、運動して咳込んだり苦しかったりする場合は長期管理がうまくいっていない場合があります。治療の見直しが必要になります。
※EIA はexercise induced asthma の略です。