食卓シリーズ・第13部 命の入り口心の出口 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・「出典」西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/shoku/rensai/
・食卓シリーズ・第13部 命の入り口心の出口<1>

喜ぶ献立 早食い招く「軟らか食」
 ■食卓の向こう側シリーズ 第13部■
 「いたぁだきまぁす」。

九州のある小学校。給食を前に、子どもたちの朗らかな声が響いた。

献立はミートソーススパゲティ、サラダ、コッペパン、牛乳、そしてデザート。

「余った分取っていいよ」。

担任教師の一言に、スパゲティの食缶の前に長い列ができた。

 カウンターを手に、噛(か)む回数を数えてみた。

パンは平均10回。

まだ噛み切れていないうちに牛乳で流し込む子が目立つ。

スパゲティはもっと早い。数回噛んだら、すぐ次のスパゲティを口の中に放り込む。

 配膳(はいぜん)から約15分。

デザートを満足気に味わって給食時間は終了。

昼休み、子どもたちは校庭に散った。

 「ご飯のときは、副食も含めて噛む回数は増えますが、そうそう食事時間を長く取れない事情があって…」

 担任が指摘するのは、40分間という給食時間の短さ。配膳にかかる時間や、給食センターが食器を回収に来る時刻から逆算すると、食べる時間は正味15―25分しかない。

 「4時間目に体育があると着替えもあって、さらに時間は短くなる。

自然と早食いを容認するような雰囲気になる」と、担任は言う。

 噛まない原因は、献立自体にもある。

噛み応えのあるものが少ないのだ。

この学校の場合、ヒジキなど噛めるおかずもあるが、主流はカレーやジャーマンポテトなど、子どもが喜ぶ軟らかくて多国籍型の「カタカナ食」が多い。
 「必要な栄養素やカロリーには基準があっても、『噛む』ことに対する指導はない。
噛み応えのあるメニューは時間がかかるから嫌がる担任も多いし、残食を減らすため、栄養士も子どもが好む軟らかい献立にする傾向がある」。

福岡県の学校栄養士は打ち明ける。

 学校給食は年間平均で約180回。「1日3食として、全体の6分の1にすぎない」という指摘もある。

だが、学校給食における子どもたちの嗜好(しこう)はそのまま、家庭での嗜好でもある。