食卓の向こう側・第7部7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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●半歩先 米一粒一粒もいとおしく
 食べ物を無駄にしない社会や循環型社会づくりへの道筋をどうするか。

それぞれが、自分にできる範囲で行動する「半歩先宣言」が寄せられた。
 「出産前は、ごみを出したくないと、外食にしていた。産後、助産所で母乳相談を受け、野菜中心の食生活に変え、大地にしっかり足をつけて生きていくことを考え始めた。大根の葉や皮も食べるようになり、余った野菜は漬物に…。できることから始めている」(福岡県・女性・39歳)
 「農家にとって、有機栽培への移行は収益減が障害だが取り組んだ。自分で作った堆肥の野菜は最初、隣の化学肥料のものより見劣りした。でも、年々、よくなっている」(長崎県川棚町・農業男性・72歳)
 「娘三人と実家の農作業を手伝ってから、お米一粒一粒がいとおしく感じられ、お茶わんに一粒でも絶対に残さない。学生に試験の点数は大切。しかし、娘たちには『一番大切なのは命、健康』と諭している。それを守るため大切な物は、娘たち自身で悟ってほしい」(長崎県諫早市・主婦・40歳)
 「大量の生ごみを出す今の日本の構造は、国民一人一人が便利さや快適さを追求してきた結果。変えるのは容易でない。レジ袋削減のマイバッグ運動もなかなか浸透しないが、レジ袋を断ると何とも言えず心地よい。生ごみ削減の半歩先に、きっと同じ心地よさがあるのだろう」(大分県・公務員男性)
 「子どもの食べ残しを食事にしている。世界の食料不足の話をし、『ママも温かいご飯が食べたいな』と言う。六歳の末っ子にもようやく、もったいないという感覚が芽生えてきた。生活が豊かになっても、生きる力を養う原点は家庭だ」(福岡市南区・女性)


 ●必要以上に物を買わない


高月教授の「漫画ゴミック『廃貴物』」より


 ▼高月 紘 石川県立大教授
 食の安全安心に関心が高まっていることもあり、多くの人々に「何かおかしい」「行動したい」という、うずうずした感情が広がっているようだ。

少しゆっくりした生活を楽しみたいという人が増え、健康で持続可能な生き方を提案する「ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)」という言葉もはやり始めた。

食や環境、農業に目を向ける生き方にもつながると期待している。
 持続可能な生き方には、必要以上に買わないことが大切。リサイクルが免罪符になって物を捨てる社会が続けば、再生のために多大なコストやエネルギーを使い、根本的な問題解決にならない。
 できるだけ環境負荷を減らす社会を目指すことだ。 (談)

(2005/12/15 西日本新聞朝刊)