食卓の向こう側・第4部 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・「出典」西日本新聞
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食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<1>プロローグ その常識、本当ですか
 食卓の向こう側・第四部「輸入・加工 知らない世界」では、輸入農産物の玄関口である港や、加工の現場を取り上げながら、私たちの暮らしを取り巻く食の実態に迫ります。

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・大分・久住高原。九月下旬、家族でキャンプに出かけた福岡市の主婦安部利恵(42)は、「おなか減ったー」という子どもの声に促され、茶店に立ち寄った。
 炉端でジュージューと音を立てて焼かれているカモ肉は、大人の拳(こぶし)ほどの大きさで四百五十円。

「安い!」。

そう思った安部は焼いているおじさんに声をかけた。
 「おいしそうですね。カモは、このあたりで飼っているんですか?」
 「いや、違うで。フランス産で。うちは直輸入しちょるけん、安く手に入るんで」
 「はあ。フランスのカモがなぜここに」
 「うちでもアイガモを飼いよんやけど、国産じゃ倍以上するきな」
豆、ソバ粉、漬物、山菜…。田舎らしい素朴な品物が並ぶみやげもの売り場。「田舎の店だから、観光地とは違う。売っているのは地元のものだろう」。

これまで単純にそう思っていた安部だが、おじさんの話を聞くと、どうにも怪しい。

商品を裏返してラベルを見ても、原産地表示はほとんどなかった。
 そういえば、昨日食べただご汁には、ワラビが入っていた。

「なぜ、この時期に青々としたワラビがあるんだろう」。

次々にわく疑問。
 「港には塩漬けされた山菜が野積みされとったよ」。

安部は、五年前に横浜港で農産物輸入の実態を見学した母の言葉を思い出した。

「田舎だから大丈夫」と信じ切っていた自分の“常識”にハッとした。