チメロサールとワクチンについて4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 また、世界保健機関(WHO)でのメチル水銀の安全基準については、1999年の設定値で3.3マイクログラム/kg体重/週でした。

しかし、この値の設定時(1999年)には、少量のメチル水銀を摂取していた母親に生まれたこどもへの神経発達面での影響を評価するための十分な情報が得えられませんでした。

設定値は一般の人々に適用されるけれども、妊婦や乳児については、一般の人々よりもリスク(危険性)が高いかもしれないとしました。

また、一方で、食事によるメチル水銀の主要な摂取源として魚が考えられますが、魚の栄養面での評価が高く、魚が重要な蛋白質の摂取源となっている地域もあります。

メチル水銀の摂取を減らすために魚の摂取を制限するとしても栄養面の効能にも配慮すべきだとしています。

世界保健機関(WHO)の基準値は、PTWI( Provisional tolerable weekly intake:暫定週間耐容摂取量)と呼ばれます。

蓄積性のある重金属について、一生の間、毎週人の集団が暴露を受けても有害な影響のリスクがないと思われる推定用量です。

一週あたり、人の体重あたりの用量で示します。国連食糧農業機関( FAO : Food and Agriculture Organization )及び世界保健機関( WHO )のIPCS( International Programme on Chemical Safety )が協力し、食品添加物と汚染物質の安全性評価のための専門家合同会議 ( JECFA : Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives ) で決めています。

 なお、2003年6月10-19日にローマで開かれた専門家合同会議の第61回会合において世界保健機関(WHO)の基準値であるPTWI( Provisional tolerable weekly intake :暫定週間耐容摂取量)が、メチル水銀については、3.3マイクログラム/kg体重/週から1.6マイクログラム/kg体重/週に改訂されました。

メチル水銀による影響をもっとも受けやすい胎児を守ることを考えての改訂です(参考文献20)。

自閉症と水銀
 自閉症の発生については、出生10000人につき4.5人程度の発生とされています。

近年、アメリカ合衆国では、自閉症の発生が増えていると言われています。

アメリカ合衆国カリフォルニア州で州の保健福祉局発達サービス部門が把握している自閉症・脳性麻痺・てんかん・精神発達障害の四つの障害・病気について1987年のデータと1998年のデータを比較した報告書があります(参考文献14)。

1987年のデータに対し1998年のデータでは、人数で、自閉症では210.43%、脳性麻痺では42.84%、てんかんでは30.69%、精神発達障害では48.74%の増加を示しています。

つまり、人数で、自閉症では3倍以上に増加していて他の三つの障害・病気と比較しても明らかな増加です。

この増加の原因はよくわかっていません。

 アメリカ合衆国における自閉症の増加を水銀と関連づけて説明しようとしたのが、Bernardらの仮説です。

Bernard らは、この十数年の間に、アメリカ合衆国では、乳幼児が接種すべきワクチンの種類や本数が増え、また、より月齢が低い段階で接種を受けるように成って来ていること、またその中にはチメロサール( thimerosal ) が添加されているワクチンもあり、1999年の段階では、乳児期の内に定期の予防接種を受けることでアメリカ合衆国のEPAの基準を超える水銀の暴露を受ける可能性があることを指摘しています。

さらに、自閉症の症状と水銀中毒の症状の類似性を指摘し、水銀中毒の結果として自閉症になると考えました。

そして、この十数年の間に、アメリカ合衆国では乳幼児に対する予防接種による水銀の暴露が増加することで自閉症となる者が増えていると考えました。

また、重金属を体から排除する働きのある酵素に欠陥があるというような、遺伝的に水銀の暴露に弱く自閉症となりやすい人たちがいると考えました。

 Bernardらの仮説は、アメリカ合衆国において、ワクチン中のチメロサールの安全性に関して疑問を投げかけることになりました。

アメリカ合衆国における、この疑問に対する結論が、2001年10月の米国科学アカデミーの医学協議会( Institution Of Medicine : IOM )の勧告です。