チメロサールとワクチンについて5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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米国の医学協議会(IOM)の勧告(2001年)
 米国科学アカデミーの医学協議会( Institution Of Medicine : IOM )は、予防接種安全性検討委員会で、「チメロサールを含むワクチンと神経発達障害と」について検討し、おおよそ、次のような結論を2001年10月に示しました。

 チメロサールを含むワクチンの接種を受けることと神経発達障害とが関係しているとの仮説は、立証されてはいないが、生物学的にはもっともらしく思われる。

また、チメロサールを含むワクチンの接種を受けることと自閉症・注意欠陥多動性障害(ADHD:attention deficit / hyperactivity disorder )・言語発達障害などの神経発達障害との間の因果関係については、肯定するにも否定するにも十分な証拠がない。

 以上のような結論を踏まえ、米国の医学協議会(Institution f Medicine : IOM )の予防接種安全性検討委員会は、チメロサールを含まないワクチンの使用を勧告しました。

世界保健機関(WHO)・欧州・日本の対応
 アメリカ合衆国の中で、チメロサール( thimerosal )をワクチンにできるだけ添加しない方向は、医学協議会( Institution Of Medicine : IOM )の予防接種安全性検討委員会の勧告以前に、米国小児科アカデミー(AAP:American Academy of Pediatrics )と合衆国公衆衛生サービス(PHS:United States Public Health Service )との1999年7月7日の共同声明で示されました。

世界保健機関(WHO)は、2000年1月にこの共同声明を支持しています。

 1999年7月8日、つまりアメリカ合衆国での共同声明の翌日には、欧州で、欧州医薬品審査庁( EMEA : European Agency for the Evaluation of Medical Products ) の許可医薬品委員会( CPMP : Committee for Proprietary Medical Products ) が乳幼児のワクチン中のチメロサール( thimerosal )について勧告を出しています(参考文献6)。

CPMP は、ワクチンからの水銀の曝露の程度では有害な証拠はないけれども、チメロサールを含まないワクチンの使用を早急に進めていくべきだとしました。

 世界保健機関(WHO)のワクチン安全性委員会( Global Advisory Committee on Vaccine Safety )は、ワクチン中のチメロサール( thimerosal )とこどもの神経発達障害の間の因果関係を示す決定的証拠はないとしました。

ワクチンを使用しなかった時のワクチンで予防できる病気による罹患・死亡・合併症といったリスク、あるいはチメロサール( thimerosal )をワクチンに添加しない時の多人数用のワクチンが病原体で汚染した場合のワクチンによる感染症のリスクは、いずれも良く知られたリスクであり、両者のリスクは、ワクチン中のチメロサール( thimerosal )による副作用の可能性のあるリスクより、はるかに大きいと考えられると世界保健機関(WHO)はしています。

世界的規模で進行中の予防接種戦略において、チメロサール( thimerosal )を添加したワクチンも用いられている現在のワクチンの使用を即刻中止することなく継続しながら、チメロサール( thimerosal )をワクチンにできるだけ添加しない方向を世界保健機関(WHO)は、示しています。