・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_53_07.html
ごみ焼却炉からの水銀汚染を考える
広報委員粟谷しのぶ
東京都の焼却炉から高濃度の水銀
昨年2010年の6月から7月にかけて、東京都内の5つの焼却炉からの排ガスの水銀濃度が急上昇し、焼却炉の操業が相次いで一時ストップしました。
焼却炉からの排水銀について、東京都は自主基準値を1 立方メートルあたり0.05mgと定めています。
このときは、板橋清掃工場と光が丘清掃工場が自主基準値を若干超えた程度でしたが、千歳清掃工場は自主基準値の6倍の0.32mg、足立区清掃工場は、計測ポイントの集じん機部のメーターが振り切ってしまうほどの高濃度になり、濃度が大幅に薄くなる煙突部でも0.49mgだったとのことです。
犯人は誰?
東京都23区清掃一部事務組合(以下、「清掃一組」といいます)は、このような事態が発生した原因として、事業者が水銀含有製品を不正に大量廃棄した可能性があるとの見解を出しました。
清掃一組によると、焼却炉で出た排ガス中の水銀は、集じん機の活性炭フィルターで吸着されるのに加えて、薬剤の入った洗煙設備でも浄化されているので、一時間あたり200g程度の水銀であれば、自主規制値を超えることなく処理が可能であるとのことです。
水銀200gというと、蛍光灯2万~2万5千本に相当します。
ですから、これほどの高濃度になったのが家庭ゴミからの水銀含有製品とは考えにくいと清掃一組は考えているようです。
しかし、このような事業者犯人説に対しては、焼却炉からの総水銀濃度が上昇したのは、実は家庭ゴミからの水銀含有製品が原因なのではないかとの反論があがっています。
特に、東京都が2008年から廃プラスチックを可燃ゴミと一緒に燃やすことにしたことに根本的な問題があるのではないかとの見解があります。