・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_53_07.html
・歯に、肌に、空気に。身近な水銀
水銀は環境中に幅広く存在する重金属です。
また、スキンクリーム、防腐剤、体温計、血圧計、蛍光灯、スイッチ、電池、歯科治療用のアマルガムなど、最近まで、身近な製品に使用されてきました。 水俣病を引き起こしたチッソは、アセトアルデヒド(塩化ビニールの原料)を製造する触媒として、水銀を大量に使いました。
現在でも、多くの国で塩化ビニールの製造過程で、使用が続けられています。また石炭火力発電や産業廃棄物の焼却炉からも水銀は排出されています。
2002年のヨハネスブルグサミットで、「化学物質による人の健康と環境への悪影響を最小化する」2020年目標が決議されました。
同年、UNEP(国連環境計画)が世界水銀アセスメントを実施し、「先進国では水銀の使用量は削減されているが、大気中に排出される水銀は増加傾向にある。
開発途上国では小規模金採掘などで水銀が使用されている。
大気や水に放出された水銀は、低濃度曝露でも食物を通して人体に入ると、神経の発達障害、不妊、心臓病などの原因となる。
クジラや魚類など野生生物に蓄積していて、環境リスクが高い」と結論づけました。
2020年目標を実現するために、こうした水銀を地球規模で削減するため、「水銀条約をつくろう」というのが検討され始め、2008年にはEU、アメリカが水銀の使用削減と輸出禁止を制度化する法律を採択しました。
そうした中で、2009年UNEPの管理理事会で2013年を目途に、国際条約化することが決議されました。
2013年に条約の採択を目指す
今回の千葉の会合の正式名称は「水銀に関する条
約の制定に向けた政府間交渉委員会第2回会合(INC2)」といいます。
この会合は、2013年後半に予定されている条約締結のための外交会議までの間に、計5回予定されています。
今回は、昨年6月の第1回会合(ストックホルム)でつくられた条約骨子案を初めてみんなで議論し、交渉が本格的に始まりました。
INC2の初日、日本政府は水俣病の教訓を説明しました。
水俣病の語り部である金子澄子さんは、水俣病に苦しんだ家族の歴史や医者が無力だったことを参加者に語りました。
これは参加者を感動させ、会議を前進させるきっかけを作りました。
また、議長あいさつで、2013年の条約締約会議を日本で開催することを受け入れると提案されました。