ナノテクの問題点と社会的影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html


・ナノテクの問題点と社会的影響
化学物質問題市民研究会
更新 2011年4月26日

■はじめに
 このページではナノテクの危険性やナノテクの安全基準策定/規制の動向等に関する世界の情報を紹介します。日本語訳で特に断り書きのないものは当研究会によるものです。
 
 ナノテクノロジーやナノマテリアル(物質)の"ナノ"は10億分の1を意味し、長さの単位である1ナノメートルは10億分の1メートルである。
 ナノ物質の公式な定義はまだないが、1次元が少なくとも100ナノメートル以下の物質であるというのが大方の合意である。

ちなみにヒトの髪の毛の太さは約80,000ナノメートルと言われている。
 ナノテクンロジーの定義については、米・国家ナノテクノロジー・イニシアティブ(NNI)は、新たな構造、物質、及び装置を生成するために、サイズが概略1~100 ナノメートルの物質を理解し支配する技術であるとしている。

 ナノサイズの物質の特徴は、そのサイズが非常に小さく、質量当りの表面積が非常に大きいことであり、物質がこのようなナノスケールになると最早物理学の一般法則は適用されず、表面活性度が高くなる、化学的、電気的、磁気的、光学的特性等が著しく変化するなど、物質は全く新たな特性を帯びるといわれている。

 これらの性質によりナノ物質は新たな・材料として既に、医薬品、化粧品、表面処理、潤滑剤、スポーツ用品、環境改善、エネルギー、情報通信、化学、農業、食品、繊維など広い範囲で使われ始めている。

 しかし、この新たな特性はヒト健康と環境に重大な有害影響をもたらす可能性がある。

したがって、従来のサイズでの物質の特性が分かっていても、ナノスケールでは全く役に立たず、危険な特性を含めて全てのナノ物質の特性は改めて実験により確かめられなくてはならない。

しかし、現在、世界中どこの国でもナノテク製品は規制の対象になっておらず、表示義務もなく、安全が全く確認されないままに市場に出されている。

 ナノ物質の生体に及ぼす有害性を示唆する研究は世界中で数多く発表されており、特に2008年の前半に日本とイギリスで発表された「アスベストに形状が似たカーボン・ナノチューブはアスベストのようにラットに中皮腫を起こす」ことを示唆した研究は世界中に衝撃を与えた。

 英国王立協会・王立工学アカデミーは、2004年の報告書 『ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性』 の中で、”我々は、ナノ粒子及びナノチューブの形状で製造される化学物質はこれらの規制(訳注:イギリスの現在の規制及びREACH)の枠組みの下では新たな化学物質として扱われるべきと勧告する” としている。